黒柳徹子さん、中国の読者に「大人になったトットちゃん 」を語る
【東方新報】「窓ぎわのトットちゃん」の作者・黒柳徹子(Tetsuko Kuroyanagi)さんが1日の「国際児童節」に合わせ、新作「続・窓ぎわのトットちゃん」を携えて北京市を訪れ、中国の読者と直接交流した。 これに先立ち、呉江浩(Wu Jianghao)駐日中国大使は、東京で黒柳さんと会見し、日中文化交流への黒柳さんの貢献に感謝するとともに、北京市での出版記念セレモニーの成功を祈った。 「皆さんこんにちは、黒柳徹子です」、出版記念セレモニーでは、トレードマークの「タマネギ頭」に紫のロングドレス姿の黒柳さんが、まず中国語で読者にこう挨拶し、それから自身と中国とのこれまでの関わり合いについて語った。 彼女は、ジャイアントパンダ好きが高じて1984年に初めて中国を訪れた。 今回彼女は「中国は私にとって憧れの国です。中国の友人たちを見ると、私にとても似ているように感じます。中国の皆さんは好奇心が強くて、面白いことが大好きなように見えます。皆さんと一緒に共鳴し、一緒に笑い合うことができれば、私たちの心は通じ合っていると言えますね」とあいさつした。 確かに、中国と日本は「一衣帯水」、共通の文化を共有している。教育を非常に重視するのも共通だ。 日本で1981年に出版された「窓ぎわのトットちゃん」は、児童文学の世界では有名な作品だ。03年に中国で紹介され、中国語簡体字版の発行部数は現在までに1700万部を超え、「教育部基礎教育課程・教科書発展センター」の「小中学生読書指導目録2020年版」や語学教材にも選ばれている。 それでは、「トモエ学園」を去った後のトットちゃんはどうなったのだろうか? もし「窓際のトットちゃん」のテーマが「教育」だとすれば、「続・窓ぎわのトットちゃん」は主人公の「成長」がテーマであろう。 黒柳さんは、自身を主人公にすえた最初の作品から40年以上経った今、主人公が学園を卒業した後、より複雑で現実的な世界に直面するトットちゃんの姿を読者に伝えている。 23年10月に刊行された新作『続・窓ぎわのトットちゃん』は、日本での発売からわずか2か月で発行部数50万部を突破し、再度「トットちゃん」の読書ブームが巻き起こった。 黒柳さんが驚いたのは、それから8か月も経たないうちに、中国で中国語版が発売されたことだ。 今回の中国訪問にあたり黒柳さんは繰り返し、中国の読者、特に若い人たちと直接会って交流したいという希望を口にした。 出版記念セレモニー当日は、北京市、上海市、深セン市(Shenzhen)、安徽省(Anhui)など各地から、小中学生、第一線で活躍する校長や教師、読書教育の推進者など、多くの人たちが会場に集まった。 セレモニーに出席した金杉憲治(Kenji Kanasugi)駐中国日本大使は「国境を越え、理解を深め、お互いの文化を知り、尊重することはとても大切なことです。今回中国で続編が刊行されることで、より多くの新しい読者が『トットちゃん』と新たな絆を結び、日中の相互理解と交流が深まることを期待しています」とあいさつした。(c)東方新報/AFPBB News ※「東方新報」は、1995年に日本で創刊された中国語の新聞です。