関東大震災から100年…生成AIで証拠をでっちあげ!?SNS時代の震災と情報について聞いた
――100年前は、新聞が主な情報源でしたが、現代において、首都直下地震や南海トラフ地震などの大きな震災が発生した場合、生活者が情報収集をするという側面でどんなことが考えられますか? 「生活者はテレビやラジオ、TwitterやTikTokを含め、あらゆる情報源を通じて情報収集に努めるでしょう。今でも情報の信憑性が高いのはマスメディアです。被災地では停電に強いラジオ、被災地以外の地域ではテレビがよく利用されると考えられます。スマートフォンの普及によって、私たちは一日中インターネットにつながった生活を送るようになりましたが、地震で携帯電話の基地局が機能停止するとインターネットに接続できなくなります。それまで当たり前に行っていた、SNSのコミュニケーションやインターネットでの情報収集が突然できなくなると、人々の不安感が高まる可能性があります」 ――SNSで誰でも簡単に情報を発信、受け取ることができる時代のいま、玉石混交の情報が飛び交う中で正しい情報の見つけ方を教えてください。 「基本的には、災害時は公的機関やマスメディアから伝えられる情報が、事実である可能性が高いです。近年はマスメディアに対する信頼が低下していますが、災害時にマスメディアの情報が信頼されないと、人々はその代わりに流言情報にもとづいて状況を判断せざるをえなくなります。そうならないためにも、マスメディアにはふだんから正確で偏りがない報道に努め、信頼を回復していかれることを期待します」 「SNS上で見た情報を参考にするとしても、①情報の根拠が示されているかどうか、②情報源が公的機関や報道機関など、情報発信の責任を負っている主体かどうか、③情報源が直接発信している情報か伝聞情報か、④SNS上でその情報を否定する打ち消し情報がないか、などを考えて事実かどうかを判断してください」 ――有益な情報だと思い、善意でSNSで流言・飛語やフェイクニュースの拡散を手助けしてしまわないように気を付けることを教えて下さい。 「基本的には、他の人から聞いたり、SNSなどで見かけたりした情報を、他の人にそのまま伝えないように心がけることです。「流言は智者に止まる」という言葉があります。賢い人は根拠のない流言を他の人に話さないので、流言の拡散がそこで止まる、という意味です。災害時の流言に賢く対応しましょう。また、あらかじめ災害時の流言の典型的な例を知って免疫をつけておくと、流言を予防する効果があります。 地震の場合は、①日時を特定して地震の発生を予告する、②外国人が犯罪を引き起こしているという情報が流言の典型例です。この手の情報はほぼ虚偽なので、他の人に伝えないようにしましょう」