仏教が国教のブータン、公立学校の朝礼時の礼拝では、何をお祈りする?
ブータンの首都ティンプー。緑に覆われた、なだらかな山裾に広がる街並みは、どこか日本の農村風景を思い出させる。首都とはいえど人口も10万人そこそこで、まだまだのどかな町だ。 町の中心から小高い山の中腹に位置する小学校を訪れた。ちなみにブータンでは1950年代までは現在のような学校はなく、教育はすべて僧院でおこなわれていたという。
始業前の朝礼の時間、まずは子供たちが手を合わせて祈り始めた。国教として宗教を定める国は世界でも多くはないが、仏教はブータンの正式な国教であり、公立学校での祈りは必須になっている。 「何を祈っているのだろう?」 ちょっと気になったので、休み時間になって、校庭に歩いていく少年をつかまえて尋ねてみた。 「家族が元気でいられるように。そして、試験の成績が良くなるようにって」 はにかみながら男の子が答えた。 2014年8月撮影 (写真・文:高橋邦典) ※この記事はフォトジャーナル<世界の学校事情>- 高橋邦典 第48回」の一部を抜粋したものです。