<高校野球>龍谷大平安・野沢 接戦を演出した信頼のエース 相手打線に仕事させず
◇第91回選抜高校野球 ○龍谷大平安2-0津田学園●(25日・甲子園) 高々と上がった打球が左翼手の頭を越えた。両チーム無得点で迎えた延長十一回1死一、二塁、龍谷大平安の5番・奥村が決勝の左翼線二塁打。緊迫の熱戦に終止符を打った。 【決勝点となった龍谷大平安・奥村の二塁打】 その接戦を演出したのは技巧派左腕・野沢の安定感抜群の投球だった。直球の球速は130キロ台前半ながら、制球力とチェンジアップとのコンビネーションを武器に相手打線に仕事をさせなかった。特に威力があったのは相手打者の内角を突く直球だ。五回2死三塁のピンチで1番・大音を迎えた場面。2ボール2ストライクと追い込んでから投じた6球目は膝元への133キロ直球。空振りを奪って窮地を脱した。 その投球スタイルとおっとりとした性格から原田監督からは「じじい」とあだ名を付けられている。実は試合2日前から胃腸炎のような症状が出て、おなかをくだし、病院にも行った。周囲が影響を心配する中でも原田監督は「力が入らなくても大丈夫。おじいちゃんだから」と冗談交じりで信頼感を伝えていた。 ◇京都勢春夏通算200勝も達成 昨夏の甲子園で春夏通算の勝利数を節目の100勝に到達させ、この勝利で「102」まで伸ばし、さらに京都勢で春夏通算200勝を達成した。全国屈指の伝統校が、新たな歴史を積み上げるべく突き進む。【生野貴紀】