《ブラジル》10年以上無免許運転が12%超=2輪、北部北東部なら20%にも
マフレ財団と交通安全研究所(IST)の共同調査によると、ブラジル国内でオートバイを運転する人の12%以上が、10年以上も無免許運転していることが明らかになった。中でも北部や北東部では無免許運転者は約20%に達することが判明した。3日付CBNが報じた。 同調査によれば、オートバイ運転者の約2/3以上が独学、または親族や友人を通じて運転方法を学んでおり、正式な運転訓練を受けた経験がない実態が浮かび上がった。2輪運転者の5人に1人は18歳未満で運転を始めている。 こうした背景が、免許の取得率の低さや未熟な運転技術につながっていると指摘されている。特に北部や北東部では免許を持つ運転者の割合が他の地域(90%以上)より低く、83%にとどまっている。 2000~23年に、国内のオートバイの台数は約9倍に増加し、400万台から3500万台に達した。この急増は、オートバイが主要な交通手段として普及した一方で、事故の増加という負の側面も招いている。 2000~04年のオートバイ運転者の死亡者数は約1万8千人だった一方、2015年~19年には約6万人に達しており、3倍以上の増加を記録した。調査対象者の34%がオートバイを仕事の手段として使用しているが、このことも事故リスクを高める要因となっている。オートバイによる事故経験率も高く、調査対象者の半数以上がすでに何らかの事故を経験している。 この状況に対し、交通安全の専門家であるダヴィ・ドゥアルテ氏は、運転免許の取得プロセスをより容易にすることの重要性を訴えている。同氏によれば、運転免許取得に必要な費用が、特に地方や低所得層にとって大きな障壁となっているという。免許取得には医療検査費用や試験費用、教習所の費用などを含めて2千~2500レアル(約5万~6万2千円)が必要であり、この経済的負担が多くの人にとって課題となっている。 調査はまた、都市部や首都圏における免許保持者の割合が地方部より高いことを示している。こうした地域差は、自動車教習所へのアクセスのしやすさ、経済状況の違い、そして地域ごとの交通規制の厳格さが影響していると考えられる。