ロッテ・小野投手コーチ、前半戦の先発陣は「いい部分、悪い部分が出た」
ロッテはオールスター前、首位・ソフトバンクと10ゲーム差の2位で終えた。先発投手陣に目を向けると、小島和哉、種市篤暉、C.C.メルセデス、西野勇士が開幕からローテーションの一角として投げ、小島と西野がチームトップタイの7勝、種市がリーグ3位の106奪三振、メルセデスはリーグ7位の防御率2.52と安定した投球を見せた。 彼らと共に開幕からローテーションの一員として投げていた佐々木朗希の離脱はあったが、5勝2敗、防御率1.96の成績を残した。またダイクストラが5月7日の西武戦で来日初勝利、高卒4年目の中森俊介が6月26日の楽天戦で先発での初勝利、高卒2年目の田中晴也が7月3日の日本ハム戦でプロ初勝利、昨年10月に右肩を手術し今季から育成契約となるも6月24日に支配下選手に復帰し6月30日のオリックス戦で669日ぶりに白星を手にした石川歩と、今季白星を挙げられていないが唐川侑己も4月16日の西武戦で6回1安打無失点の好投を見せた。 小野晋吾投手コーチは前半戦の先発陣について「しっかりゲームを作れた試合が多かったですし、壊す試合も多かった。良かったり、悪かったりがあったのかなと思います」と振り返った。 小野コーチがそう振り返ったように、開幕投手を務めた小島は5月終了時点で防御率2.74だったが、6月は4日の巨人戦で3回途中11失点を喫するなど月間防御率10.80。7月に入り再び復調し、ここまで月間防御率1.99だが悪かった時期もあった。 種市も4月終了時点の防御率5.27だったが、5月6日の西武戦から10試合連続クオリティスタート(6回以上3自責点以内)を達成するなど、5月の月間防御率0.90、6月の月間防御率が1.88だった。 小島が7勝7敗、西野が7勝5敗、種市が5勝5敗、メルセデスが2勝5敗と、開幕からローテーションで投げていた4投手の合計が、シーズン序盤、打線の援護に恵まれていなかったとはいえ、21勝22敗と負け越しているのは気になるところ。 小野コーチにそのあたりを訊くと、「う~ん、そうですね、みんなそれぞれ苦しんだ時期があって、それを立て直しながら色々やってなんとかいい部分、悪い部分が出た前半だったかなと思います」と話した。 今後に向けては田中晴、中森が出てきて、石川、唐川といったベテランが復活の兆しを見せているのは明るい材料。 小野コーチも「特にベテラン2人はいい部分を出してくれて後半に向けていい戦力になってもらえるところは出してくれている。若手の2人に関しては良い部分も悪い部分も出たなというのがあるので、これを糧に後半またしっかり戦力になってもらえるように準備してくれればいいかなと思います」と期待を寄せた。 特に8月は10日のオリックス戦から18日のソフトバンク戦にかけて9連戦があり、先発投手陣の枚数は絶対的に必要。5勝9敗1分の首位・ソフトバンクと8試合、5勝12敗1分と大きく負け越す日本ハムと6試合ある。8月は27試合予定されているが、そのうち14試合がソフトバンクと日本ハム戦となっており、ここを勝ち越すには先発陣がしっかりとゲームを作っていかなければならない。 小野コーチは8月以降の戦いに向けて、「先発全員が大事。ちゃんと試合を作ってもらわないと困る。まだまだ上がる要素がみんな持っていると思うので、それに期待していますし、やってもらわなければいけないところもあると思う」と、力を込めた。 現状、首位と10ゲーム差離されているが、最後まで何が起こるかわからないのがペナントレース。先発投手陣がゲームを作り、打線が先制点を奪い主導権を握る形を作ることができれば、白星も自ずと増えてくるはずだ。 取材・文=岩下雄太
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