「2000万円」の住宅ローンは、年収280万円だときつい?無理してでもマイホームが欲しいのですが……。
住宅ローンを組む際、年収とのバランスは非常に重要です。場合によっては、ローンの審査に通らないこともあるほどです。 仮に、2000万円の住宅ローンを考える場合、年収280万円の方にとってはどの程度の負担になるのでしょうか。年収280万円の方が組む住宅ローンについて考えてみます。
一般的な住宅ローンの返済比率は35%が限度
住宅ローンを組む際は、返済比率を重視する必要があります。返済比率とは、年収に対する年間返済額の割合をいいます。金融機関や不動産会社などによっては、返済負担率等といわれることもあります。 返済比率は、年間の返済額を年収で割って求めることができます。例えば、年収280万円で2000万円の住宅ローンを35年の返済期間で組み、年間72万円を住宅ローンの返済に充てるとしましょう。すると、返済比率はおよそ26%になります。 返済比率の目安はさまざまですが、有名な住宅ローンである「フラット35」の場合、返済比率は年収400万円未満の場合で30%以下、400万円超の場合で35%以下とされています。 参考までに、フラット35のシミュレーターで計算してみると、年収280万円でも2152万円は借りることができるようです(他に借り入れはないものとし、金利1.880%で35年間、元利均等返済方式にて試算)。 信用情報や頭金の有無など諸条件によっても異なりますが、年収280万円でも、2000万円の住宅ローンは理論上組むことができそうです。
生活費とのバランスも考慮すること
住宅ローンが理論上は組めることと、実際に無理なく返済していけるかどうかは別問題です。 仮に、手取りを額面の8割として考えてみると年収280万円の方の手取りは年間224万円です。2000万円のローンを35年間、1.880%の利率の元利均等方式で組み、年間79万2000円のローンを返済していくことを考えると、手元に残るのは144万8000円となります。月々使えるお金はおよそ12万円です。 マイホームを取得すれば家賃がかからないとはいえ、12万円で生活していくのは苦しいものがあります。急な病気やけがで支出がかさんだ場合や、休職、離職などで収入が減った場合のリスクもあります。 生活のバランスを考えると、年収280万円で2000万円ものローンを組むとしたら、生活が予想よりも苦しくなるかもしれません。 公務員など、将来の昇給がある程度予想できる場合は、さほど問題にならないかもしれません。しかし、それ以外の場合であり「無理してでもマイホームが欲しい」と強く希望するのであれば、転職する、配偶者に働いてもらい世帯での収入を増やす、などといった方法で、無理なく返済していくための対応が必要になるでしょう。