ド軍1年目で期待されるボンズ級の規格外さ 「DH専任」の大谷翔平はFA後に“7冠達成”の大打者を超えられるか
大谷翔平が早くもフィーバーを巻き起こしている。現地時間2月9日に始まったドジャースのスプリングトレーニングにおいて、彼の一挙手一投足は連日のようにトピックとして取り上げられている。 【動画】推定150mの超特大弾も! 絶好調の大谷翔平の打撃練習 そんな大谷は、目下、すこぶる好調だ。現地時間2月16日までに実施した3度のフリー打撃では合計76スイングで33発を記録。推定飛距離150メートルの超特大アーチを放つなど、昨年9月に行った右肘の手術による影響は微塵も感じさせていない。 ドジャースを率いるデーブ・ロバーツ監督も「あれほど期待されながら、あそこまで集中できるのはユニークなことだ。毎日、彼について学べば学ぶほど感謝できる」(地元局『LA Sports Net』より)と太鼓判を押すほどの存在感を放つ大谷。となれば、ますます期待したくなるのが、FA加入選手としての金字塔だ。 実はメジャーリーグの長きにわたる歴史において、MVPに輝いた年のオフにFAとなり他球団へ移籍したのは、大谷が31年ぶり2人目となる出来事だった。 31年前に他球団へと活躍の場を求めたのは、メジャー通算762本塁打を放った大砲バリー・ボンズだ。1991年にMVP投票2位になり、1992年にキャリア2度目のMVPを受賞するという最高の流れでFAを宣言した彼は、当時の史上最高額である6年4375万ドルでジャイアンツと契約した。 MVPを獲得したオフに、「史上最高額」でFA契約を締結したところも大谷と状況が酷似する。では、ジャイアンツでの1年目のボンズはいかほどの成績を残していたのか。振り返ってみると、これまた凄まじい記録ばかりが居並ぶ。以下は主な打撃スタッツだ。 打率:.336 本塁打:46 打点:123 得点:129 塁打:365 OPS:1.136 長打率:.677 出塁率:.458 盗塁:29 四球:126 敬遠:43 同年のボンズは、本塁打と打点の2冠を含めて合計7部門でリーグトップに君臨。2年連続3度目となるMVPに輝いた。その影響はチームにも波及し、92年シーズンに72勝だったジャイアンツは地区優勝こそ逃したがシーズン103勝と飛躍を遂げた。 今季はDH専任になる大谷は、ムーキー・ベッツやフレディ・フリーマンといったスター選手が揃うチーム状況を加味しても打撃成績の向上に対する期待は小さくない。過去11年連続でポストシーズンに進んでいる“常勝軍団”もワールドシリーズ制覇は1度(2020年)のみ。31年前のジャイアンツと同様にタイトル奪取が悲願の状況だ。 はたして、「打者・大谷」はボンズ級の成績を残せるのか。その成否がチームの行く末を左右するのは間違いない。 [文/構成:ココカラネクスト編集部]