『お別れホスピタル』『グレイトギフト』『院内警察』など、“複雑化”する医療ドラマが急増
今クールのテレビドラマは病院を舞台にした医療ドラマが多い。 医療ドラマは刑事ドラマと並ぶテレビドラマの人気ジャンルで、シリーズ化されているものも多数存在する。 【写真】反町隆史がどんどん追い詰められていく『グレイトギフト』 人気の秘密は、万人がカタルシスを得られる物語が作れることで『ドクターX ~外科医・大門未知子~』(テレビ朝日系)を筆頭にスーパードクターが患者を手術で救う姿を爽快に描いた医療ドラマがたくさん作られてきたのだが、近年の医療ドラマはバリエーションが豊富で、より専門性が高いものとなってきている。 今クールの医療ドラマを見比べても、同じ医療従事者と言っても職業は千差万別で、テーマや物語も複雑化している。
『院内警察』
たとえば、フジテレビ系で金曜21時から放送されている『院内警察』は 大病院で起きるトラブルに対処する院内交番に務める院内警察たちを主人公にしたドラマ。元刑事の武良井治(桐谷健太)と交番事務員の川本響子(長濱ねる)が病院で起こる怪事件に挑むバディもののドラマとなっている。 刑事ドラマと医療ドラマの良いトコ取りと言えるような内容で、多くの医師と患者が関わる巨大病院が舞台だからこそ成立する医療&刑事ドラマだ。 特定の組織や巨大施設に舞台を限定した「〇〇警察」という本作のアイデアを用いた作品は今後増えていくのではないかと思う。
『ナースが婚活』
医療ものにワンアイデアを加えるという意味では、テレビ東京系の深夜ドラマ『ナースが婚活』も面白い試みだ。 本作はナース(看護師)専門の結婚相談所「ナースのとも」の代表・横山陽子(矢田亜希子)が悩めるナースの相談に乗って問題を解決していくコメディテイストの婚活ドラマ。 婚活+医療ものという、ユニークな組み合わせのドラマだが、物語の背景にあるのは、夜勤や休日出勤といった不規則な勤務形態ゆえに出会いが中々ないため、職場の医師と時に不倫関係に陥ってしまうという労働環境の問題。そこをしっかりと押さえているからこそ、ドラマに説得力がある。