この世の終わりのような顔で佇むブルドック犬・アビーちゃん

　小さな子どもと犬が戯れている姿は見ているだけで心が癒されるが、SNSでも犬と子どもが見せる絆に度々注目が集まる。お気に入りのおもちゃをかじって大喧嘩をしてしまったブルドッグと5歳児の仲直り動画が、828万再生を超える反響を呼んだ。一方、飼い主さんにこっぴどく叱られて、9歳の息子さんに甘えるコーギーのあざとすぎる動画が話題を集めた。そんな様子を見守る2組の飼い主さんに聞いたエピソードをあらためて振り返る。 【動画カット】「大っ嫌い」と言ってしまい後悔する息子さん…涙ぐむアビーちゃんも…大喧嘩の顛末は？ ■愛犬との喧嘩で成長した5歳児「相手の気持ちを理解するいいきっかけになった」 　「やっちまった…」。この世の終わりのような顔でフリーズするブルドッグ犬のアビーちゃん。5歳の息子さんのお気に入りのおもちゃをかじってしまい、登園前に大喧嘩。「大っ嫌い！」と言われ固まってしまった。大好きな愛犬にひどい態度を取ってしまった息子さんは罪悪感でいっぱいに。数日後、一生懸命に気持ちを整理して自ら「ごめんね」と言えた仲直り動画には「ものすごいドラマだ」「2人の絆がぐっとくる」などのコメントが寄せられた。 　幼い頃から一緒にいる2人が大喧嘩をしてしまったことに、親御さんとしても見守る側の葛藤があったという。「ごめんなさいは？」と言って、簡単に謝らせる選択肢もあったが、息子さんが自分で考えて答えを出せるよう「そうちゃんの気持ちパパわかるよ。そうちゃんはアビーが今どんな気持ちでいると思う？」という声かけをする判断をした。 　「親としては、息子の答えを信じるのみです。きっといつか、ごめんねと謝る答えにたどりつくと信じていました」 　大喧嘩から数日後の仲直りの日、息子さんは幼稚園の帰り道に自ら「今日僕はずっと言いたかった言葉を言うんだ」と言って、「ごめんねぇ」とアビーちゃんに駆け寄った。喧嘩してからずっと浮かない顔をしていたアビーちゃんの表情や仕草にも変化が見られたという。 　「動画内では撮り損ねてしまったのですが、アビーは息子をペロペロとなめていました。アビーなりのごめんねという表現でした。それまでは元気がなく食欲もなかったのですが、嘘のようにご飯をもりもり食べていました」 　息子さんとアビーちゃんの仲直りまでの道のりには多くの「感動した」という声が寄せられたが、親御さんとしても自分で考えて、悩んで、苦しんで出せた答えに息子さんの成長を感じたという。 　「相手の気持ちを理解する良いきっかけになったかと思います。息子とアビー、いつまでも仲良しでいて欲しいです」