まさか、飛び出した黒い影、目線上げたら熊だった 晩秋の里山で遭遇、ストックで対応するしか…
長野市と大町市の境、金太郎伝説の山でばったり
まさかりかついだ きんたろう くまにまたがり おうまのけいこ…。 長野市信州新町と大町市八坂境の大姥山(1003m)は金太郎伝説の山だ。この大姥山の登山の帰り、26日午前9時過ぎ、ばったりと熊と鉢合せるはめになった。(あらかじめお断りしておきますが、一瞬のことで熊の映像などはありません) 【動画】熊と遭遇した里山の登山
枯葉の積もった山道を気持ちよく歩いていると、ドスドスと明らかに重そうな足音。目線を上げると、10mほど前に左から黒い影が飛び出してきた。 大きな頭に小ぶりなお尻、太くて短い手脚。間違いなく熊だ! 「正対したまま、後ずさるんだったな。得物はストックしかない…」と瞬時に脳裏に浮かんだのはこの2点だった。 幸い熊はこちらを向くことなく一目散に右の斜面へ、飛び込んでいった。かなりの急傾斜にもかかわらず勢いよく駆ける音が遠ざかって行った。
スマホ操作中…、音楽を流さない初歩的な痛恨のミス
あまりにも一瞬のことで恐怖を感じる間もなかった。 普段人気のない山に行く時は熊鈴をつけたり、音楽を流しているのですが、アプリを操作していて音が止まったままだった。我ながら初歩的な痛恨のミス。 幸い熊の方で逃げてくれたから良かったものの熊に馬乗りになられるのはゴメンだ。反省することしきりである。 大姥山も小さいながらも鎖場もあり、登りごたえがある山です。頂上直下には伝説で金太郎と母が暮らしていたとされる奇岩と言っていい大きな岩窟があります。登山道から離れ斜面を横断するのですが、鎖場より怖いくらいでした。 頂上からは常念岳から燕岳へかけて一望できるほか、ミズナラなどが落葉した晩秋だと尾根筋からは後立山の峰々も拝めます。 ただ、熊が出没しましたので、入山の判断は慎重に。そして自分のことを棚に上げるようで申し訳ありませんが、他の低山でも熊対策を忘れないで。
それでは皆さんご安全に!(メディア局専門委員 中村貴士)