『おむすび』プロポーズの場所はなぜ台所だったのか? “原点”に立ち返った年内最終回
翔也(佐野勇斗)を演じる佐野勇斗が自身のSNSで、「おむすび明日は年内最後の放送です!」「2人が出した答えをどうか見守って下さい。。」「涙なしではみられねえ…!」とポストしているのを見かけた(※)。佐野が綴っているように、12月27日放送の『おむすび』(NHK総合)第65話は年内最後の放送。ちょうど週終わりの金曜日という状況下で、約束のプロポーズがまさかの結(橋本環奈)から飛び出す、年の瀬の締めくくりとしてベストな内容となった。 【写真】“逆プロポーズ”した結(橋本環奈) 第65話はこれまでの回想を交えつつ、米田家の台所を舞台にしてオンエアの15分尺が(ほぼ)丸々展開されていく。神戸から結を追いかけて翔也が糸島にやってくるという少々強引なシチュエーションを作ってまで、なぜ(制作サイドは)プロポーズの場所を台所に選んだのか。それは結のプロポーズを聞いていれば自ずと見えてくる。高校時代、スタミナがほしいという翔也のために初めてお弁当を作った、栄養士を志すきっかけとなったもう一つの始まりの場所。震災で心の傷を負った結を思いやり、まるで自分のことのように涙を流すまっすぐな翔也に結は恋をしていた。その時に作ったのが「豚肉と玉ねぎのニンニク炒め」。佳代(宮崎美子)からリクエストされ、結は料理をしながら当時の思い出が次々と駆け巡っていく。 2人が出した答えとは、第13週のタイトルにも示されている「幸せとは何か」ということでもある。佳代は永吉(松平健)とただ一緒にいるだけで毎日が幸せだと笑顔で話した。愛子(麻生久美子)が聖人(北村有起哉)に言い聞かせていた「仕事で嬉しいことも苦しいことも一緒に分かち合いたいの」という言葉もある。結が辿り着いたのは、翔也に幸せにしてもらうという一方的な関係性ではなく、2人で幸せになるという、互いに手を取り合って人生を歩んでいくという考え方。「この人とならつらいことがあっても、悲しいことがあっても、一緒に乗り越えていけるって思った」という高校時代の原点に立ち返ったことにもなる。 「うちと結婚してください」という結の逆プロポーズから、涙の溢れる目で見つめ合う2人。そして、翔也は結を強く抱きしめる。橋本環奈の長セリフに対して、早々に綺麗な一筋の涙を流していた佐野の表情が印象的だった。グラウンドで見せた悔し涙から一転、台所で溢れたのは幸せの涙だった。