APEC首脳会議開幕 自由貿易の推進で協調 日本は2031年議長国に立候補
【サンパウロ=平田雄介】日本や米国、中国など21カ国・地域でつくるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議が15日、南米ペルーの首都リマで開幕した。石破茂首相は初日の討議で、自由で開かれた公正な貿易・投資環境の維持、強化が重要だと訴えた。 トランプ米次期大統領の保護主義的な関税引き上げへの懸念が強まる中、多くの首脳が自由貿易の推進に賛同した。首相は2031年のAPEC議長国に日本が立候補することも表明した。 首相は、地域の持続可能な成長と繁栄の実現に引き続き貢献するため、質の高いインフラ投資の推進、女性の経済的地位の向上と能力構築も重視する考えを示した。また、多角的貿易体制強化のため、紛争処理機能が停止している世界貿易機関(WTO)の改革を進める考えも示した。 討議の冒頭、議長国ペルーのボルアルテ大統領は「私たちの目標は公平な競争の場を整えることだ。分断を減らす必要がある」と述べ、自由貿易の推進を呼びかけた。 トランプ氏は米国への全輸入品に10~20%、中国からの輸入品には60%の関税を課すと主張し、各国で警戒が広がっている。中国の習近平国家主席は15日、APEC関連イベントでの書面演説で「世界は保護主義の台頭で新たな混乱の時代を迎えている」と述べ、トランプ氏を牽制した。