静岡県がJR東海と「空港新駅」の対話へ…中身のない「いい加減な計画」になる最悪の予想
「対話」を経て、決めなければならないこと
2018年夏から始まった静岡県とJR東海の「対話」で、リニア工事に関する水資源保全、南アルプス保全のさまざまな課題が明らかになった。 その「対話」を通して、JR東海の静岡県に対する認識の甘さがはっきりと見えた。 これから始まる静岡空港新駅の「対話」で、リニア問題とは逆に、静岡県の公共事業対応のいい加減さが見えてくるはずである。 もともと静岡空港は開港以前から赤字を垂れ流す「負の遺産」に位置づけられていた。可能性のない新幹線新駅を掲げて、静岡県政史上最大のプロジェクトを進めた行政の責任は大きい。 その後、誰も責任を取った形跡はない。絵に描いた餅のような計画では、JR東海だけでなく、県民も納得しない。 JR東海と「対話」をした上で、空港新駅計画から早期に撤退するのも1つの打開策である。 新駅計画の撤退で、鈴木知事は「静岡県のメリットを示す」について、現実的な新たな対応に切り替えることができる。 川根本町では南アルプスと結ぶリニア工事用の「静岡市道閑蔵線トンネル」を望む声が大きかった。 「静岡県のデメリット」であるリニア工事による環境問題への解決の道筋が見えてきたいまこそ、「静岡県のメリット」をちゃんと考え、JR東海との「対話」を進めるべきである。 【もっと読む】岸田首相がリニア「2037年開業」に舵を切る…静岡県知事にのしかかる「1年以内解決」の圧力
小林 一哉