幾田りら×あのが大切にする、「自分と向き合う時間」。映画『デデデデ』インタビューで語る
二人が大切にする、「自分と向き合う時間」
─本作では、暗い世界のなかでも日常の小さな幸せを紡いでいく門出とおんたんの姿が印象的でした。お二人は、漠然と不安に感じたり、暗い気持ちになることはありますか?不安になったときの自分との向き合いかたや、お忙しい中での時間の取り方を教えていただきたいです。 あの:漠然とした不安みたいなものはありますね。理由はあんまりないけど落ち込むということは小さい頃からあって、いまも続いている感じです。 ただ、それを解消するために映画を観たり何か食べたりっていうのは僕はなくて、自分と向き合うことで自分がわかるというか。自分と向き合うことで自分のことを知ったり、まわりの考えに向き合っていくと、ふとしたときに自然とストンと落ちる瞬間があって。向き合う時間は正直しんどいですけど、それしか方法はないなと思います。 そのなかで、曲にしたいなと思ったときは曲にする感じです。 幾田:私も不安にかられたりとか、どこに向かって生きているんだろうみたいに感じる瞬間もあるんですけど、私のいまの生きがいはやっぱり歌を歌うことだし曲をつくるという音楽活動の中にあります。 大きなステージの前にプレッシャーやいろんな感情に襲われて、足がすくんでしまうときもあるんですが、そういうときに一度自分と向き合う時間をつくって、お風呂の中で自分とずっと対話したり、ライブの前に瞑想したり…。 自分と向き合う時間を設けられてないときは、何をしたらいいかわからなくなっちゃうときだなという指標が自分の中にあります。なので、しっかり自分と向き合って、「音楽活動が広がっていく中で、その根源として自分が歌うことが好きだから歌っているんだ」というところに立ち返れると、無敵状態になります。 生活をしていくなかで、身のまわりの人や環境の引力に引っ張られて自分の軸がグラグラしちゃうときもあるんですが、そういうときこそ自分と向き合う時間をつくって、軸をちゃんと元に戻してこられれば、大丈夫かなって思うようにしています。