中絶を禁止とする州で「性的暴行被害による妊娠」が推定6万件超え…米研究で明らかに
約6万5,000の性的暴行による妊娠を推定
今回<JAMA Internal Medicine>が発表した研究は、各州が中絶を禁止としてから起こったと考えられる性的暴行被害とそれによる妊娠の推定値を分析。結果、51万9,981件の性的暴行被害と、6万4,565件の妊娠に関連し得ると推定しました。 さらに6万4,565件の性的暴行による妊娠の推定値のうち、9%(5,586件)が例外規定がある州で、91%(5万8,979件)が例外規定がない州で起こりうる被害と算出。その45%(2万6,313件)は、テキサス州で起こったと考えられるという研究結果を発表しました。
合法的な中絶を受けられていないことを示唆
中絶へのアクセスの変化を記録するための調査機関「#WeCount」は、2022年4月から23年6月にかけて行われた合法的な中絶は、州が禁止としてからは毎月約10件かそれ以下だったと、中絶治療を提供する病院やクリニックによる協力をもとに提示しています。 <JAMA Internal Medicine>に発表した研究者らは、「性的暴行による妊娠に対する中絶が例外的に認められている州であっても、被害者は自分が暮らす州で合法的な中絶が受けられていないことを示している」と締めくくりました。 また同研究では性的暴行による妊娠の結果、出産に至ったであろう人数の推定は行われていません。そのため性的暴行被害によって妊娠をした人が、中絶を合法としている州での中絶手術を行うのか、出産に至るのかなど、中絶の権利へのアクセスが保障されていないことによる影響の全容は図りしれません。