柿にトマト 猛暑の影響が果物や野菜に影響
khb東日本放送
宮城県は23日、夏日に迫る暑さが予想されています。長引く暑さは、果物や野菜に深刻な影響を及ぼしているようです。
丸森町では特産のころ柿作りに向けて、まもなく収穫の時期を迎えます。 耕野地区の八島哲郎さんは約200本の柿の木を育て、毎年3万個のころ柿を出荷しています。 八島哲郎さん「ちょっと色が付いてきたので、収穫をいつするかを考えています」 丸森町ではここ数年、安定した柿の生産が難しくなっています。2022年は、柿の実が変形する被害が相次ぎました。4月の発芽時期や6月上旬の開花時期に1日の気温差が大きくなったことで木にストレスがかかり、変形したとみられています。 2023年は、夏の猛暑の影響で収穫時期の11月を待たずに3割の実が落ちる被害が出ました。 厳しい残暑が続き、園地の状況を見てみると。 八島哲郎さん「うちも7割くらい落ちてしまったのが、一番ひどい畑。柿の病気と夏の暑さの2つが大きな原因です。暑さで浅い根がやられて耐えられなくなって身を落としてしまう」 ただ、採れる実が少ない分、収穫された柿は栄養が行き渡り、抜群のおいしさに仕上がるといいます。柿の収穫は11月上旬から始まります。 八島哲郎さん「夏が暑かった分、糖度が上がっているはずなのでおいしさは問題ないので、是非丸森の干し柿の出来上がりを楽しみにしてほしい」 坪谷歩香記者「様々な種類のトマトが並んでいますが、価格は例年の1.5倍から1.8倍と高くなっています」 高温が続いた影響でトマトの花が落ちて実が付きにくくなったほか、水分量が足りずに実が割れてしまった物もあります。 更に産地リレーがうまくいかず、値上がりにつながったといいます。 いたがき朝市店森俊之青果マネージャ―「北海道産とかが早めに終わってしまい、宮城県産とか栃木県産が今度入って来るのですけど、生育が遅れている」 10月はトマトの出回る量が減る時期であるうえに生育不良が重なり、例年より市場に出回る量が少ないため高値は10月いっぱいは続く見通しです。 買い物客「困りますね。弁当にちょっと入れたりとか料理で使ったりもしますね」 いたがき朝市店森俊之青果マネージャ―「うちは朝市なので、やっぱり特売したいんですよ。みんなに使いやすいお値段で提供したいわけです。それができない。ちょっときついですね」 トマトの値上げの波は、飲食店にも及んでいます。仙台市青葉区の居酒屋では、冷やしトマトとサラダを各350円で提供しています。 トマトの仕入れ値は1カ月ほど前は1玉100円未満でしたが、今は200円ほどに値上がりしました。 高級安酒場ゆきむら木村幸宏店主「倍になりましたね。同じ値段の物を探すとなると、1回り小さいものになっちゃうのかな。クオリティを保つように、多少高くても今まで通りの大きさを用意しています」 レタスの値上がりも影響して、以前は3割ほどだった原価率は7割になりました。多くの商品を350円で提供しているため、価格を据え置いています。 高級安酒場ゆきむら木村幸宏店主「ちょっとでも上げちゃうとお客さんたち遠ざかっちゃうので、それが一番怖いんですよ。ちょっとつらいけれども、このまませめて年内はやり抜きたいと思います」 仙台市太白区の商業施設にあるダブルトールカフェではベーコンとレタス、そしてフレッシュなトマトが入ったBLTサンドが創業当時からの人気メニューです。 ダブルトールカフェ仙台長町店高杉美也子店長「7月から毎月値上がりしてまして、4回値上がりしている」 仕入れ値は、6月と比べると1個当たり190円ほど値上がりしました。他の食材も高騰していることから、10月に1年ぶりにBLTサンドも含めた約10種類の商品の値上げに踏み切りました。 ダブルトールカフェ仙台長町店高杉美也子店長「結構苦しい状況ではある。その分また来たいと思ってもらえるような接客や、サービスを行っていきたい」 農林水産省が発表した食品価格動向調査によると、レタスは平年比133%、キャベツは124%、ダイコンは122%と高騰していて今後の天候次第では高値が続く可能性もあります。
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