不名誉な“フードロス大国”ニッポン 隣国では…寄付・リサイクルが「当たり前」に いま私たちにできることは? 【沸騰化時代の処方箋】
カギは…一人ひとりの“当たり前”
日本では「まだ時間がかかる」のが現状の、食品の寄付。なぜ、韓国ではこれほど盛んにおこなわれているのでしょうか。 実際に売れ残ったパンを寄付している、ソウル市内のパン屋に話を聞くと… ■パン屋 「今はロスがほとんどなくなりました」 「廃棄を減らす、寄付をするということを考えている人は多い」 市民にとって、廃棄を減らしたり、食品を減らしたりすることが“当たり前”のこととして根付いているようです。
驚異の「生ごみリサイクルほぼ100%」
「まだ食べられる」食品を寄付に回しても、調理の家庭などでどうしても発生するのが、生ごみ。 韓国では、生ごみのリサイクルも盛んに行われていて、30年前には2%だったリサイクル率は、今ではほぼ100%になっているといいます。 実際にソウルで暮らす男性の自宅を訪ねると、カレー作りの真っ最中。野菜の端など、生ごみを集めます。 すると、男性は生ごみを持って、ゴミ収集所へ。カードを取り出し、生ごみの重さをはかり、捨てました。 ■男性 「これは生ごみを捨てるためのカードです」 「1か月に2000ウォンから3000ウォンぐらい払います」 生ごみは、他のゴミとは混ぜずに集め、さらに、その重さによって料金がかかるシステムだというのです。
「負担とは考えていない」市民の意識
生ごみを分けて集め、その処理に費用がかかる。日本ではあまりなじみのないシステムですが、市民側は、どのように考えているのでしょうか? ■男性 「負担とは考えていないです」 「これは環境のための費用なので」 男性にとっては、支払うお金は“負担”ではなく、どうしても出てしまう生ごみをリサイクルするための「当たり前」のことだといいます。
世界的に見ても、多くのフードロスが発生している日本。 隣国では「一人ひとりの“当たり前”」によって、国レベルでの削減に取り組んでいたが、私たちも、市民と国、それぞれのレベルで、フードロスの削減について改めて考えてみるべきかもしれません。