『キングダム 大将軍の帰還』インタビューPart.1 清野菜名 「羌瘣でやっと認められた気がした、アクション俳優の立ち位置」
飛信隊の仲間として
ーー今作もいきなり羌瘣のアクションから始まります。他のお仕事もされているなかで、アクションをずっと覚えているものなんですか? 撮影期間中に、1カ月空く時期もあったんですけど、割と体は覚えていて、現場で急に新しい立ち回りを作られても、すぐに羌瘣っぽく味付けできましたね。 ーーすごいですね。もう『キングダム』の現場に入ったら、羌瘣の動きがスッと入るって感じなんですか? 入りますね。羌瘣が抜けなくて、傘とか持ったときもちょっと振っちゃうくらい(笑)。羌瘣っていう役をすごく愛しているので、撮影がない日も羌瘣を忘れられませんでした。 ーー羌瘣のどんなところが好きですか? なんだろう‥‥。まず単純にかっこいい(笑)。 あと、最初はすごく悲しい過去を持っていて、生きる理由が復讐というほど暗くてかわいそうな子だったんですけど、信っていう、とてつもなく明るい人に出会って、今まで周りにいる人はすべて敵としか思えなかった羌瘣は、希望というか、明るい光を見いだしてもらった。 こんなにも自分を信用してくれて、仲間として引っ張ってくれる信の姿を目の当たりにしたことで羌瘣にもすごく人間味が出てくるんです。感情がなくなっていた羌瘣から人間らしさを取り戻し始めた羌瘣という、その変わっていく過程を演じるのが、とてもやりがいがありますし、好きですね。 ーー今作では、羌瘣の飛信隊としての仲間感が全面に出ていますよね。 どこまで羌瘣がそう思っているのかっていうのは、私もまだ掴みきれていなくて。仲間だと思えているのか、敵ではないだけなのか、というのは、今後原作を読み込んで知っていきたいなって思っています。 ーーそんな信役の山﨑さんはじめ、共演された飛信隊の方々との、現場での雰囲気を教えてください。 撮影中は緊張感のあるシーンばかりだったので、皆さん集中されていたんですけど、撮影以外は和気あいあいとしていましたね。地方ロケをしていたんですけど、撮影して夜になったら各々ホテルに戻ってっていう生活がずっと続いて、コロナ禍だったので、一緒に食事をすることができなかったんですよ。なので、皆さんとコミュニケーションを取る場は本当に現場だけ。 山﨑君が車に筋トレグッズを積んでいたので、みんなで撮影の合間に重いバットを振ったり、ミットで打ち合ったり、筋力自慢をしていました。私の撮影パートでは、周りには、女性キャラクターが私しかいなかったので、"男子いいな"みたいな感じで、それを見ていました(笑)。 ーーどちらかというと「キングダムシリーズ」って男性が好きそうな作品だと思うのですが、女性目線ではどう映っているんですか? 羨ましさですね。人と人がこんなに熱くなって、もがいていける男子って羨ましいって毎回映画を観終わった後に思います。女性って身体を使ってがむしゃらになれる事ってあんまりないなって思っていて、今作にも出てきますが、この時代の女性のイメージって、家にいてお祈りして旦那さんが帰ってくるのを待っている。そんな感じなんですね。 何だろう? 戦いが羨ましいのかな。 ーー甲子園を目指す高校球児的な感覚ですか? それもすごいグッときます。泥だらけになって汗まみれになって打ち込めるみたいな。 ーーだから、筋トレでみんながはしゃいでいるのを見ちゃうんですかね? そうかもしれないです。いいなぁって(笑)。