林遣都の新たな魅力。“舞台”に立つことの意味について語る
直近では待望の続編『おっさんずラブ-リターンズ-』など次々と話題作に出演し、演じた役の数だけ新たな魅力を見せてくれる林遣都。次に挑むのは初舞台から8年ぶりとなる倉持裕作・演出の『帰れない男~慰留と斡旋の攻防~』だ。“舞台”に立つことの意味について語る 【写真】新たな魅力を見せてくれる林遣都
舞台の世界へと導いてくれた恩師
■「自分の初舞台がこの作品でよかった。倉持さんとお会いして、この人を信じてやっていこうと思いました」と林遣都が語ったのは、2016年に上演された『家族の基礎~大道家の人々~』の時のこと。まずはその真意について聞いた。 林遣都(以下、林): 僕の中に、ものすごく深く刻まれている言葉があります。初めて立ち稽古をした時、倉持さんから名指しで、“映像で演じているのと同じように演じていても何も伝わらないし、それは舞台では通用しないから”という言葉をかけられました。久しぶりに浴びた厳しい言葉だったので、すごく怖かったですし、あの瞬間は今でも鮮明に覚えています。 舞台に立つ上で必要なスキルがあって、それは映像とは違うスイッチがあるということなのかもしれません。まだ20代半ばだった当時の僕は、自分が俳優としてまだまだちっぽけで、お芝居を追求し続けた人たちの中に放り込まれると、何もできないということを痛感させられました。 倉持さんをはじめ、そのとき共演した役者さんたちから得るものはすごく多かったです。きっとこの舞台という場所は、自分が俳優として向上できる場所だと感じたので、絶対に続けていきたいし、続けていかなければならないと思いました。 ■だからこそ、久しぶりの倉持作品には期待が募る。 林: 普段の倉持さんはすごく温かいハートで接してくださる方です。あれから8年経ちますが、劇場や稽古場で倉持さんとお会いしたことが何度かあって、そのたびに“また、いつかやろうね”と声をかけてくださいました。本当に実現したいと思っていたので、今回のお話をいただいたときは、凄く嬉しかったです。