林遣都の新たな魅力。“舞台”に立つことの意味について語る
舞台を通して本質を見抜く
■初舞台で得た学びは大きく、その後も年に一度くらいのペースで舞台作品に取り組んできた。彼にとって“舞台”とはどんな意味を持つ場所なのだろうか? 林: 今までにない自分の変化や、お芝居をする上で必要なスキルみたいなものが、演れば演るほど新たに身についていく、そうした自分が向上していることを一番実感できるところですね。ですから大好きなドラマの撮影も終わると寂しいのですが、次に舞台が控えているときはワクワクと解放感があって、純粋にお芝居と向き合える時間が待っていると思うと、とても充実した気持ちになれるんです。 舞台というものは、絶対になくてはならないものだと、僕は思います。倉持さんの本を読んでいても、登場人物について細かい説明や描写がなくても、演じる側と観る側の想像力でどんどん世界が広がっていきますし、劇場という空間でそれを共有できることには何とも言えない魅力があります。 僕はまだ経験が少ないですが、実際にないものを想像して気持ちを込めて演じていると、もしかしたらお客さんも同じものを感じ取ってくれているんじゃないかと思うことがあって、舞台にはそういう刺激を与えられる瞬間があります。 舞台を通して本質を見ようとする。そういう場だからこそ、舞台というものを演じる側も観る側もお互いに大事にしていきたいですね。 林遣都(HAYASHI KENTO) 滋賀県生まれ。2007年に映画『バッテリー』でデビューし、同作で「第31回日本アカデミー賞」ほか、新人賞を受賞。2011年に『コヨーテ、海へ』でテレビドラマ初主演、『荒川アンダー ザ ブリッジ』で連続ドラマ初主演を果たし、以来、テレビ、映画、舞台と幅広い分野で活躍。近年では映画『隣人X -疑惑の彼女-』『身替わり忠臣蔵』、ドラマ『VIVANT』、『おっさんずラブ-リターンズ-』、舞台『浅草キッド』など出演多数 ジャケット¥63,800・シャツ¥39,600・パンツ¥37,400/YOKE ENKEL TEL. 03-6812-9897 STYLED BY YOSUKE KIKUCHI, HAIR & MAKEUP BY TAZURU TAKEI (&’S MANAGEMENT)