神仏に願う国家安寧 比叡山延暦寺と合同で「北野御霊会」
学問の神、菅原道真をまつる北野天満宮(京都市上京区)と天台宗総本山延暦寺(大津市)は4日、同天満宮で疫病退散や国家安寧などを祈る神仏習合の儀式「北野御霊会(ごりょうえ)」を執り行った。 北野御霊会は、非業の死を遂げた道真の神霊がもたらすと考えられた疫病や天変地異を鎮めるため平安中期の987年に始まった。応仁の乱で途絶えたが、コロナ禍の終息を願って令和2年、約550年ぶりに再興された。 北野御霊会は、同天満宮が道真没後1125年にあたる令和9年に営む大祭「半萬燈祭(はんまんとうさい)」に向け、復興に取り組んでいる古儀の一環でもある。本殿で北野天満宮の橘重十九(しげとく)宮司(75)が祝詞(のりと)を読み上げ、延暦寺の僧侶らが法要「法華三昧(ほっけざんまい)」を営んだ。その後、神職だけでなく僧侶による玉串拝礼が行われた。 式を終えた橘宮司は「国家安寧とみなさまの安泰を祈った」とあいさつ。延暦寺の獅子王圓明執行(えんみょうしぎょう)(58)は「今後もずっと続けたい」と述べた。(田中幸美)