日本期待の望月慎太郎、内島萌夏、齋藤咲良が全仏予選2回戦を突破!本戦進出まであと1つに迫る<SMASH>
ITF3大会連続優勝でパリに乗り込んできた内島は、揺るがぬ自信を全身にまとい、試合そのものを支配した。度重なる降雨で試合開始が遅れ、試合終盤でも中断に見舞われる。それでも試合開始前も、そして中断中ですら、内島の表情は柔らかい。 その精神面のゆとりは、確実にプレーにも反映される。ペトラ・マルチンコ(クロアチア/同225位)との対戦は、第1セットを逆転で奪うと、第2セットは序盤のブレークを機に4ゲーム連取で6-4、6-2で勝利。貫録すら漂わせ、連勝を17に伸ばした。 内島らの活躍に、「日本人選手の良い流れがあるので、自分も乗りたい!」と奮起したのが、17歳の齋藤だ。開幕2日前に滑り込みで出場が決まり、初めて挑戦するグランドスラム予選。初戦から中1日挟み迎えた2回戦では、「1回戦とは全然違う感覚でコートに入れた」と目を輝かす。 初戦は、相手への声援が多かったこともあり、「自分のプレーに集中しよう」と、周囲を遮断した。だが「ローランギャロスを楽しめた」という2回戦では、客席の状況を把握する余裕すらあった。 試合内容的にも、戦前のイメージ通り。一発必中の強打があるもミスの多いアリシア・パークス(アメリカ/同135位)の特性を理解した上で、「ミス待ちだと相手に流れがいきかねない。自分からも攻め、結果的にミスしてくれればいいな…くらいな気持ち」で戦ったという。相手の心理のみならず、コート全体の空気感までも掌握した、6-2、6-2の完勝だった。 試合後にはサインの求めに笑顔で応じ、Vサインをかざし写真に納まる。その姿からも、全ての瞬間を楽しむ高揚感が爆ぜるよう。成熟のテニスに天真爛漫さをブレンドし、日本勢最年少が、チームに熱と勢いをもたらす。 現地取材・文●内田暁