【鉄路と生きる】只見線活性化へアイデア競う 高校生部門桐蔭学園、大学生部門東北大が最優秀賞 福島県会津若松市
JR只見線の全線再開通を受けた「第3回只見線全国高校生サミット プレゼンテーション大会」は15日、福島県会津若松市の会津大で開かれた。県内外の高校生や大学生が只見線の利活用と沿線地域の活性化のアイデアを発表した。最優秀賞には高校生部門は桐蔭学園中等教育学校、大学生部門は東北大が輝いた。 県只見線管理事務所の主催。桐蔭学園中等教育学校は「夜行只見線で行く!ユネスコエコパークツアー」をテーマにした。沿線利用自体を新たな観光資源にしようと普通列車を夜行列車として運行する案を考えた。東北大は「拠り所、只見線~只見線が結ぶ地域の絆~」と題した。只見線を観光資源だけでなく、地域住民の居場所となるよう列車内での食事会や音楽会といったイベント開催などを提案した。 高校生部門は只見高、福島高専、横浜市の桐蔭学園中等教育学校、長野県の松本蟻ケ崎高、東京都の宝仙学園高、昭和鉄道高の6校、大学生部門は拓殖大、東京科学大、東北大の3校が発表した。優秀賞には松本蟻ケ崎高、特別賞には只見高が選ばれた。
渋川恵男会津方部商工観光団体協議会長、ホリプロマネジャーの南田裕介さん、タレントの長沢裕さん(伊達市出身)ら5人が審査した。鈴木正晃副知事が各校に表彰状を手渡した。 ■駅や列車絡めクイズ提案 特別賞の只見高 沖縄から山村留学の富本さんが参加 特別賞を受賞した只見高は、沖縄県南風原(はえばる)町から山村留学している富本結さん(17)=2年=がメンバーとして参加した。 2022(令和4)年に同校野球部が選抜高校野球大会(センバツ)に出場したのをきっかけに進学先に選んだ。現在は野球部のマネジャーとして選手を献身的に支えている。 今回は教諭から「県内出身者だけでなく、広い視野で地域活性化策を考えたい」と参加を打診され、挑戦を決めた。 メンバーと話し合いを重ねながら案を練った。車窓から見る四季折々の景色や地域住民の只見線に対する思いに触れ、存続への思いが募った。「より幅広い世代に利用してもらい、路線に愛着を深めてもらいたい」と、各停車駅や列車内での体験や飲食などをした後に獲得できるヒントを基に、只見駅周辺などを散策しながらクイズを解く仕掛けを提案した。
沖縄県では2003(平成15)年に沖縄都市モノレール線(ゆいレール)が県内唯一の軌道系公共交通機関として開業した。那覇市の那覇空港駅と浦添市のてだこ浦西駅を結んでいるが、県内全域をカバーしておらず、地域密着型交通の必要性を感じるという。「古里にも只見線のように地元に根付いた交通手段が整備されたらうれしい」と願った。