「中山美穂さん」パリで親交があったパティシエが語った「夜の街を歌いながら歩き」「辻さんと3人で飲んだ」日々
■焼き肉で好きだったのは「レバー」と「赤身」 美穂さんがいつも座る「指定席」は2階の個室。店の2階へは専用の外階段を使う構造になっていて、誰にも会わずに個室まで行くことができる。個室入ると、美穂さんのサイン入り色紙が飾られていた。 「美穂さんは遅めの時間に来られることが多かったですね。バックバンドのメンバーたちと練習終わりに来られたり。お肉では特にレバーがお好きでした。赤身の肉も召し上がっていましたね」 おしゃべりしながら、お酒も飲んでいたという。 「ワインも飲みますし、ジンベースのスダチのソーダ割りがおいしいと言ってくれていました。それでも2~3杯で、そんなに量を飲んでいたわけではないです。食事中もライスは食べず、野菜を一緒に摂っていて、健康にも気を使っているように見えました」 美穂さんを12歳でスカウトし、芸能界で育て上げた「恩師」の山中則男さんは、美穂さんの好物をこう明かす。 「若い時から肉はよく食べに行ったし、好きでしたね。『毎度おさがわせします』で女優デビューが決まった夜はディナーで、私の事務所の近くの『フォルクス』でステーキとサラダバーをイヤというほど食べましたよ。最高のディナーだったと今でも思っていますし、ドラマの撮影中でも時間があると『フォルクス』へ行きました。最初の海外ロケは写真集『もう一度お騒がせ 一生懸命』の撮影でハワイに行ったんですが、そのときも分厚いステーキをおいしそうに食べていました。他には、ラーメンも好きでしたね。ドラマの撮影では、楽屋にラーメンの出前を取ってよく食べていました」 通夜にも葬儀にも出席した山中さんは、最後の姿をこう話す。 「ひつぎの中は花で一杯でした。顔はきれいでしたね。まだ生きているみたいな感じでした」 天国でも好きなものをたくさん食べて、あのすてきな笑顔を見せていることだろう。 (AERA dot.編集部・上田耕司)
上田耕司