道路の埋め戻しが進み、周囲の建物の傾きがより分かる陥没現場＝28日午後0時47分、広島市西区

　広島市西区福島町での市道陥没事故で、市は28日、現場の応急復旧工事を続けた。道路の埋め戻し作業は完了。今後、既設の水道管などインフラ設備の点検、復旧に移る。 【写真】住宅街の道路が隆起・陥没　水あふれ、傾く建物内で閉じ込めも 　市下水道局によると、地盤の沈下が止まったのを確認。東西約30メートル、南北約40メートルにわたって陥没した道路上に砂利を敷くなどして埋め戻した。周辺の傾いた建物の基礎部分にはセメントや土などを流し込んだ。今後は順次、水道管や下水管の損傷具合の点検、傾いた電柱の移設などを進める。 　建物は、少なくとも11棟で、ひび割れや傾きを確認している。市下水道局は「今後、建物の詳細な被害状況の調査が必要になる」としている。 　市は事故直後から現場の市道交差点から半径50メートルを立ち入り禁止としており、規制解除の時期は見通せない。避難所の観音小と観音公民館には、27日午前7時半時点で最大27世帯53人が身を寄せたが、28日午後6時時点では6世帯12人となっている。市から現場の雨水管の工事を受注した業者側が用意したホテルへ移ったり、立ち入り禁止区域外の住民は自宅に戻ったりした。 　事故は、26日午前8時40分ごろ発生。雨水管を整備するため、業者が地下30メートルを大型掘削機で掘り進めていたところ、異常に水が出て道路が陥没し、水道管が破断して路上に水があふれだした。