石破首相、ピンチ拡大 「心からお祝い」もトランプ氏と面識なく会談実現急ぐ 内政に加え外交も心配
石破茂首相(67)は6日、トランプ氏が勝利したのを受け「心からお祝い申し上げる」と祝意を示した。「トランプ氏と連携を密にし、日米同盟、日米関係をさらなる高みに引き上げたい。今後、接点を早急に持つべく努力したい」と官邸で記者団に述べた。岩屋毅外相は、トランプ氏側とできるだけ早く接点を持つよう尽力する考えを外務省で強調した。 首相はトランプ氏と面識がないため、政府は会談を早期に実現し、関係構築を急ぎたい考え。2016年にトランプ氏が初当選した際、当時の安倍晋三首相が米ニューヨークのトランプタワーを訪問。当選後に初めて会談した外国首脳となり、蜜月関係を築いた成功体験の再現を目指す。 外務省筋は「トランプ氏が今回は日本からすぐ会いに来ないのかと感じれば、日米関係に悪影響を及ぼしかねない」と危ぶむ。石破首相が今月中旬に首脳会議のためペルーとブラジルを訪れた後、米国に立ち寄り会談すべきだとの声は多い。 しかし、トランプ氏は同盟国への厳しい姿勢や予測不能な言動で知られるため、見通しは明るくない。衆院選での自民党の歴史的大敗を受け、石破内閣の支持率は下がり続けており、永田町関係者は「内政が弱っている時にトランプ氏が大統領となればいろいろと日本側に不利な条件を突きつけられて、つけ込まれるのでは」と不安げに話した。 首相は党総裁選の時から日米地位協定の見直しを掲げてきた。在日米軍に法的な特権を認めた地位協定の改定は米軍の行動の制約につながるだけに、同関係者は「米国第一のトランプ氏が聞き入れるはずもなく、むしろもっと米国に有利な要求をしてくるのではないか」と指摘。首相はトランプ氏の返り咲きでさらなる窮地に立たされそうだ。