「週7日の塾通い・習い事は異常?」全国テスト1位の小学生が抱いた本音
受験を見据えた親が「水泳とピアノ」を選んだ理由
両親は教育に並々ならぬ熱意を注いでいたと、子どもながらに感じていた。 石井「野球は父が好きだったので『男の子には野球をやらせたい』という夢があったんだと思います。水泳は全身を使うから体力もつくし、ピアノは指先を使うから脳の発達にいいとか両親が僕のことを考えて習わせてくれていたみたいです」 厳しい中学受験を勝ち抜くには、成績だけではなく体力も必要であり、そこまで考えてお稽古も選んでいたとすれば、まさに中学受験は親の舵取りが重要と言えるだろう。 石井「勉強以外の習い事では、僕がやりたいと行って習わせてくれたのが剣道です。 小学校一年生ぐらいときに、あるCMで剣道で人を吹き飛ばしているような光景のを見て。実際にはそんなことないんでしょうが、子どもだったので純粋にかっこいいと思えて。剣道をやりたいと父に頼んだら、築地警察署で剣道を習うことになって、毎週出頭してましたね。笑」 剣道では、区の大会で3位になったこともあるほど打ち込んでいたが、小学5年生の時、中学受験の勉強に集中するために習い事はすべて止めることになった。
将来の夢を聞かれると「親が喜ぶこと」を想定して答えていた
親に敷かれたレールを歩むうちに『親が喜ぶ』ということを考えて発言することもあった。 石井「将来の夢は獣医さんって言ったんですよ。獣医になりたいって、勉強したいっていう意欲を親に見せられるし、同時に優しいっていう印象もあるんじゃないかなって。それで獣医って答えなら親が喜ぶんじゃないかなと思って言ってました」 しかし、将来の夢は別にあった。 石井「小学校の5、6年頃には、小説家になりたいと思ってました。本が好きでたくさん本を読んでました。机に向かって勉強したふりしてるときも、何かストーリー考えて書いたりしてました」
「机に向かって勉強しているフリをする」小学5年で訪れた反抗期
石井「親の方針に従って勉強していたんですけど、小4らいで『あれっ? 多分、普通じゃないなこの環境』と思い始めました。放課後に 友達から遊びに誘われても行けない。 これまで自分が当たり前だと思っていたことは、当たり前じゃない。親が言うことが必ずしも正解じゃない。そう思うようになって、ちょうどそのころ反抗期が来ました」 受験についても猛反発したこともある。 石井「小学校5年生から反抗期が始まって、受験とかも『もう知らねよ』みたいな。『俺やりたいって言ってねーし』みたいな思いは、ずっとどこかにありました。でも、子どもながらに親が期待しててそれをなんか裏切りたくはないという気持ちもあって、最終的にはどこかに受かってよかったって感覚が強かったです」 反抗する気持ちもありながら、親を安心させるため、中学受験の前は、学校から帰宅すると4、5時間は机に向かっていた。しかし、机に向かう背中は親へのポーズだった。 石井「一応、机には向かってるんですよ。だけど勉強してないで、いろんな妄想したりしましたね。そう、親から見たら勉強して見えるけど勉強してないっていう時間がめっちゃ長かったと思います。笑」