JBC、体重超過の堤駿斗に6カ月ライセンス停止処分 志成ジム・二宮雄介マネジャーは戒告処分
日本ボクシングコミッション(JBC)は17日に東京・後楽園ホールで行われたフェザー級10回戦の前日計量で、1・55キロ体重超過した前東洋太平洋同級王者で、WBC世界同級8位、WBA世界同級10位の堤駿斗(はやと、24)=志成=を16日より6カ月のライセンス停止処分とすると19日、発表した。次戦以降の転級義務はない。 【写真】1回目の計量で1.6キロ体重超過した堤駿斗 堤はオーバーウエートに関する規定に基づきファイトマネーの20%を制裁金としてJBCへ納めなければならない。また、志成ジムの二宮雄介マネジャーには監督責任を負わなければならないとして戒告処分が科された。 試合は当日計量をクリアした堤がWBA世界同級9位のアンセルモ・モレノ(38)=パナマ=に3回KO勝ち。プロ5戦5勝(2KO)とした。試合後には「全部言い訳になってしまう」と前置きした上で、米ネバダ州ラスベガスで行っていたスパーリング合宿最終日の3月24日に高熱を出し、帰国後に新型コロナウイルス感染と診断されたこと。1週間寝込み、その後は後遺症に苦しんでスパーリングなどのまともな練習はまったくできなかったことを明かした。 アマチュア13冠のホープ、堤は2022年7月にプロデビューし、昨年5月に東洋太平洋同級王座決定戦で同級3位だったジョー・サンティシマ(フィリピン)に3-0の12回判定勝ち。日本男子最速記録だった田中恒成(畑中)、清水聡(大橋)のプロ4戦目を更新する3戦目で東洋太平洋王座を獲得した。昨年大みそかに東京・大田区総合体育館で、WBA世界同級15位だったルイス・モンシオン・ベンチャーラ(ドミニカ共和国)に3回TKO勝ち。初の世界ランカー対決でプロ初のKO勝ちを収めた。 モレノは元WBA世界バンタム級スーパー王者で、WBA王座を12度防衛した古豪。13度目の防衛戦で陥落し、2015年9月の次戦でWBC世界同級王者だった山中慎介(帝拳)に挑戦。1-2で12回判定負けした。16年9月に再度山中に挑戦し、7回TKO負けを喫した。17年5月にスーパーバンタム級、19年4月にフェザー級に昇級。堤に敗れるまでは7連勝中だった。 興行はインターネットテレビのABEMAで午後6時から独占無料生配信された。プロ戦績はモレノが51戦43勝(15KO)7敗1分け、サンティシマが30戦23勝(19KO)7敗、ベンチャーラが13戦11勝(9KO)2敗。