OZE mini 植物図鑑
OZE mini 植物図鑑
尾瀬には約900種もの植物があるといわれています。まずは自分の好きな花をひとつやふたつ見つけ、覚えてみて。それだけで、尾瀬歩きの楽しさはぐっと深まるものです。ここでは代表的な湿原に咲く花種を紹介!
no.1 ミズバショウ
尾瀬の植物のなかでもっとも知名度の高いミズバショウ。雪解けと同時に顔を出す、花リレーの第一走者。サトイモ科で水の流れによって種を運ぶため、川沿いや湿原の水の多い場所で見られる。水気のない森で見つけた場合は、動物が食べてフンをしたことにより芽が出た可能性が高い。花びらのような白い部分は苞(ほう)。その中にある棒状の肉穂花序に花を付ける。花が終わると葉はぐんぐん大きくなり“お化け”と呼ばれる。
no.2 ワタスゲ
湿原を一気に幻想的な雰囲気にするワタスゲ。このかわいい綿毛になった姿を見たことがあっても、ワタスゲの花を見たことがないハイカーも多いはず。雪解け直後、ミズバショウの咲くころに開花する黄緑色の花はあまり目立たず、青々と茂る前の湿原の中にまぎれてしまう。似ている植物にサギスゲがある。違いは果穂の付き方。ワタスゲはふんわりとひとつ、サギスゲは少量で複数。まずは綿毛になった姿を覚え、それから花を見つけてみて。
no.3 レンゲツツジ
高い木が育ちにくい湿原でも、しっかりと根を張る落葉低木のレンゲツツジ。日当たりのよい場所を好む。鮮やかなオレンジ色のつぼみを付け、開花を迎えるとその存在感が際立ち、湿原は一層にぎやかに。美しさのいっぽうで、葉、花、根にそれぞれ毒をもつため、誤食はNG。蜜にも毒あり。馬や牛も食べないことから、ウマツツジやベコツツジという別名もあるほど。群生して咲くレンゲツツジは“見て”楽しんで。
no.4 ヒツジグサ
湿原に点在する池塘(ちとう)に葉と花を浮かべるヒツジグサ。深さが1m前後の池塘に棲む。シーズンを迎えると丸い葉を水面に広げるため、底からニョキニョキと茎を伸ばす。その一生懸命な姿がとても愛らしいので、ぜひ見てもらいたい。小さな白い花は、夕方から夜になると花を閉じ、また朝になると花を開くのが特徴。朝は少し遅起きなので、早朝にはまだ開いていない。秋になると葉が紅葉し、その光景はとても美しい。