伊達公子「51歳で再婚、最初半年は私の片思いだった。年上、結婚経験がある…求めていた条件4つにピッタリの人」
女子テニス界でさまざまな記録を打ち立ててきた伊達公子さん。2017年に2度目の引退をした後、公私ともに、豊かな時間が増えたといいます(構成=内山靖子 撮影=藤澤靖子) 【写真】今年7月、夫婦で日本料理店を訪ねた時の1枚。七夕の笹を前に笑顔の伊達公子さん * * * * * * * ◆「ピッタリの人がいる!」と紹介されて 一方、私生活では51歳の時に再婚した。お相手は都内のレストランの統括総支配人を務める男性。最初の結婚生活に46歳で終止符を打ってから、2度目の結婚となる。 ――再婚したのは、人生100年時代と言われる今、私自身も100歳まで生きると思ったからです。50代になると、これからは仕事も趣味もスローペースにしたほうがいいんじゃないかと思いがちですよね。 でも、100歳まで生きるなら、50歳はまだ折り返し地点。今まで生きてきたのと同じくらいの時間があるなら、もう一度結婚してもいいよねと前向きなエネルギーが湧いてきたと言いますか。 そもそも、前の結婚生活も楽しかったんですよ。前夫は「僕のために生きるんじゃなくて、自分を大切に生きてほしい」というスタンス。おかげで、テニスにしてもプライベートにしても、自分のやりたいことが自由にできて、彼と別れた後も不安になることはありませんでした。 かと言って、この先の50年間をひとりで過ごすのは寂しい。私には子どももいませんし。
そこで、次のパートナーとなる人がいればと友人に話していたのです。相手の条件はすでに自分の中にありました。まず食べることが好きな人。前の夫は偏食家で食事にまったく関心がなかったので、今度は絶対に食にこだわりがある人がよかった。 2番目に、仕事に情熱を持っている人。オフの日を一緒に過ごしたいから、旅行やスポーツが楽しめる人がいい。 そして、私より年上の人。家庭ではある程度決めてくれる人のほうがいいので、年下の男性だと自分が疲れてしまう。それで、年上で1度も結婚経験がない人は何かと難しそうな印象があるので、結婚経験がある男性。 条件が多いですか(笑)。ところが、親しいご夫婦が「ピッタリの人がいる!」と、夫をポンッと紹介してくれたんです。 とはいえ、出会ってすぐに結婚話が持ち上がったわけではありません。最初の半年ほどは、ずっと片思い。私の思いは膨らむ一方だったのに、彼は拒絶するばかりでした。でもある時、彼も0.1mmくらいは好意を抱いてくれているんじゃないかという隙間が見えたので、そのわずかな隙間をグイグイとこじ開けていった感じです。(笑) 彼の一番の魅力は穏やかなところ。私が思ったことをすぐにポンポン言うタイプなのに対し、彼は「これを言ったら、相手はどう思うか」とじっくり考えてから言葉にするタイプです。 聞き流すのも上手なので、私が文句を言っても、ケンカにならない。正反対の性格なので、自然と惹かれるのかもしれません。
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