NewJeansの所属事務所と親会社HYBEの泥沼化する紛争、国会が監査対象にしたところ国会議員も大ハシャギ
BTSの所属事務所でもあり、K-POP界のグローバルリーダーであるHYBE(ハイブ)のガバナンス・リスクが顕在化している。 【写真】国政監査に出席するため国会に到着したNewJeansのハニ。彼女の背後にカメラを構えた夥しい人々の集団が… 子会社のADOR(アドア)の前代表のミン・ヒジン氏と間の経営権紛争に対する法的攻防は続いているし、なによりADOR所属のガールズグループ「NewJeans」のメンバーのハニがHYBEでの職場内いじめについて国会で証言し、国民的関心が高まっている。 すでに6カ月以も上続いているガバナンスを巡るゴタゴタに、HYBEの株価はもちろん、企業イメージも大きな打撃を受けている。 ■ 芸能事務所の内紛が国会で 韓国の国会は毎年定例の国政監査を実施している。政権の国政運営全般に対する監査と監察が主な目的だが、重要な社会的イシューに対しては関係者を呼んで公開聴聞会を開き、世論を喚起させることも主要な役割の一つだ。 そして国会議員にとっては、テレビを通じて生中継される国政監査こそが自分の顔と名前を有権者に知らしめる絶好の機会になる。そのため、なるべく社会的に注目すべきイシューを先取りし、話題の人物を参考人と呼ぼうとする傾向が強い。 10月7日から4週間の日程で始まった今年の国政監査で最も注目を集めた「参考人」は、現役アイドルで世界的な人気を誇るNewJeansの外国人メンバー、ハニだった。 ハニは環境労働委員会から「職場内いじめ」問題に対する参考人として招致され、15日、国会に出席した。この日、韓国の国会はハニの「出演」によって、まるでコンサート場を彷彿とさせる大混乱が起きた。 まず、ハニが国政監査に出席するまでの流れを簡単に説明しよう。
4月22日、ADORのミン・ヒジン代表に対してHYBE側が「ADOR側が独立を画策している」として監査に乗り出したことでHYBE帝国のお家騒動が勃発した。ADORを攻撃するHYBE側と、独立の意図を否定するADORのミン・ヒジン氏との対立が法廷に持ち込まれる中、HYBEはADORの取締役をHYBE出身者に交替した後、8月27日、ADOR取締役を招集してミン・ヒジン氏を代表から解任してしまった。 ただ、HYBEはミン氏が経営一線から退いても、取締役の立場を維持したまま、NewJeansのプロデュースを引き続くと明らかにした。ADOR経営陣も「経営と制作を分離して会社を運営していく方針」と明らかにした。 これに対してミン氏は「不当な措置」と強く反発していた。 そこに加勢したのがNewJeansだった。9月11日、NewJeansのメンバーはYouTubeライブで、HYBEの処置は自分たちの将来の活動に不安を与えていると訴え、「25日までにミン・ヒジン前代表を元の位置に戻してほしい」と要求した。 ■ 挨拶したのに「無視しろ」の指示 また、彼女たちは「HYBEの不当な待遇」に対しても暴露した。それは、ハニが某アイドルグループのマネージャーから面前で屈辱を受けたという事件だった。 ハニによると、彼女がHYBEの社屋内ですれ違った某グループのメンバーたちに挨拶をしたところ、そのグループのマネージャーがチームメンバーに「無視しろ(挨拶するな)」と指示したという。 ハニはこの問題をADORの新代表に相談したが、新代表は「証拠がなく、もう遅すぎた」として、事件を見過ごそうとしたという。 YouTubeライブ放送でこの事件を詳しく説明したハニは、「ミン代表は私たちのために一生懸命戦ってくれたが、新代表はわずか数カ月前のことだという理由で、事件を解決しようとしない。今後またどんなことが起きるかと思うと怖い」と訴えた。 さらにグループのリーダー格ミンジも「謝罪どころか過ちを認めようともしなかった。今後、似たようなことが何回起きるだろうか。守ってくれる人もいないのに、それとなくいじめられるのではないかと、とても心配になる」と付け加えた。