少年忍者8人が挑む「夢見る白虎隊」 生きるとは何か―戊辰戦争の悲劇と青春描く
幕末から明治という時代の変革期に起きた戊辰戦争(1868~1869年)で、悲劇的な運命をたどった会津藩の白虎隊。10代の少年たちで編成された組織は壮絶な戦いの末、飯盛山で自決する。信念と誇りをもって生きた彼らの姿を描く青春群像劇「夢見る白虎隊」が、人気のボーイズグループ「少年忍者」の8人によって上演される。「この作品を通して、平和に生きている現代の人たちに命の尊さを伝え、明日に向かって一歩進む力になっていただければ」とメンバーは声をそろえる。 【写真】白虎隊19士の墳墓。周囲には「会津藩殉難烈婦碑」や沿革碑などが並ぶ 白虎隊は新政府軍と旧幕府軍が戦った戊辰戦争で、旧幕府軍の中核だった会津藩士の子弟である少年たちで構成された部隊。若松城(福島県会津若松市)を巡る攻防で自ら若い命を散らした彼らの姿は、これまでに何度も映像や舞台で取り上げられ、後世の人々はその運命に心を寄せてきた。 今回の舞台(脚本・渡辺雄介、演出・福田転球)は、白虎隊の8人の若者に焦点を当てる。すぐにでも前線に立つことを熱望する好戦派と争いより平和を好む穏健派との葛藤、若者ゆえの悩みや夢、希望、友情を、個性豊かな一人一人の行動や思いとともに描いていく。 演じる「少年忍者」の8人は深田竜生、黒田光輝、檜山光成、元木湧、安嶋秀生、鈴木悠仁、豊田陸人、稲葉通陽。実際の白虎隊の隊士たちより年齢は少し上だが、それだけに思いは重なるという。 檜山は「少年忍者の中から僕たち8人が選ばれたということの意味を大切に、生きるとは何かを見てくださる方々に伝えられたら」と言葉をかみしめる。 劇中、作家になることを夢見ていたリーダー格の若者、篠田儀三郎を演じる深田は「自分が彼らの立場だったらどうしていただろうとつい考えてしまう」と話し、こうも続けた。 「僕が彼らの年齢のときは、ただ友達とわちゃわちゃしていた。それなのに彼らは命をかけて戦っていた。僕たちも誠意をもってこの時代や白虎隊のことを学び、舞台では白虎隊の中に少年忍者らしさを出していければ」 部隊の中で好戦派と穏健派の間に立つ林八十治(やそじ)役の檜山は「見てくださる人が何を感じてもいいと思う。正解も不正解もない。『生きるとは何か』というテーマに、その人なりの答えを出してほしい」と思いを明かした。