存命の認定患者ゼロに イタイイタイ病、女性死亡
四大公害病の一つで、富山県を流れる神通川流域で発生したイタイイタイ病を巡り、認定患者の女性(93)=富山市=が亡くなったことが14日、被害者団体への取材で分かった。団体によると、1967年に認定制度が始まって以来、認定患者が初めてゼロになった。 イタイイタイ病は国の推定で、1911年に最初の患者が発生。富山県によると、今月の時点で計201人の患者が認定されている。遺族によると、女性は今月11日、腎臓の機能が低下し、亡くなった。 「神通川流域カドミウム被害団体連絡協議会」(被団協)の江添良作代表は「これで患者がいなくなったわけではない。潜在的な患者がいる可能性があり、要観察者はいつ病気になるか分からない」と対策の継続を訴えた。 県によると、これまでに、患者ではないがイタイイタイ病に発展する恐れのある「要観察者」に345人が判定され、うち1人が生存している。