秋場所で新入幕 白熊 強く愛らしく 古里の応援胸に 若元春西前頭3枚目 若隆景東前頭7枚目
福島県須賀川市出身の大相撲力士・白熊(25)=本名・高橋優太=は、初土俵から2年余りでの新入幕となった。力強い相撲を見せる一方、愛嬌(あいきょう)のある風貌でファンを増やしている。26日、茨城県阿見町にある二所ノ関部屋で記者会見し、「もっと上を目指し、古里に恩返ししたい」と誓った。来場所以降、「大波3兄弟」との対戦も想定され、県内の相撲ファンは「さらに福島の相撲を盛り上げてほしい」と期待する。 「小さい頃から憧れてきた幕内に、自分がいることがうれしい」。自身のしこ名がひときわ大きくなった番付表を手に、喜びをかみしめながら語った。隣に座る二所ノ関親方(元横綱稀勢の里)を見やり「親方を信じてやってきたことが結果になった」と感謝した。 「高橋」としてデビュー以来、所要8場所のスピード昇進で関取の座に就いた。十両では3場所連続で勝ち越し。ただ、今年の3月場所でけがもあり白星を伸ばせず、十両昇進後初めて番付を下げた。5月場所でも負け越しを喫した。入門以来、初めて壁にぶつかった。
それでも、同部屋の力士の活躍や、古里からの応援などを胸に努力を続けた。稽古の量を倍以上にし、「腰割り」などで下半身を強化し、出足を磨いた。7月の名古屋場所を12勝3敗とし、初の十両優勝につなげた。 今後、相撲界最高峰の舞台で、西前頭3枚目の若元春、東前頭7枚目の若隆景との取組が想定される。22日に福島市で開かれた大相撲夏巡業の福島場所でも3人にはひときわ大きな声援が送られた。「自分も頑張らないといけないという思いになる。(対戦することがあれば)胸を借りる気持ちで相撲を取りたい」と力を込めた。 ■地元市民ら活躍願う 白熊の地元須賀川市の市民らはさらなる躍進を願った。須賀川市の自営業、郡部仁喜さん(73)は「地道に勝ち越し続け、三役、横綱を目指してほしい」と期待を寄せた。白熊の母高橋則子さん(51)は「皆さんの応援に感謝したい。一番一番を大事にしてほしい」と願った。大寺正晃市長は「新たなステージで、ますます活躍してほしい」と激励した。