石破首相、万葉線「乗りたい」 あいの風鉄道模型に破顔
鼎談に先立ち、新田知事は「鉄道ファン」として知られる石破首相に、富山の鉄道にちなんだ土産物を贈った。石破首相は、あいの風とやま鉄道の主力車両の模型を興味深げに手に取って見入り、万葉線の「ドラえもんトラム」の記念きっぷの説明を受けると「乗りたい」と目を輝かせた。 新田知事が贈った土産は計4点。まず取り出したのは、運転士がダイヤを守るために運転台に掲示する、5秒単位の詳細な時刻表「運転士行路表(こうろひょう)」だ。あいの風の観光列車「一万三千尺(いちまんさんぜんじゃく)物語」で実際に使用される行路表を用意した。 新田知事が「非売品で、ファン垂涎(すいぜん)です」と行路表を差し出すと、石破首相は「行路表が出てきたよ」と途端に「ファン」の顔に早変わり。「ディーゼルなの?電車なの?」と興味深げに尋ねた。一万三千尺物語の名前は、標高3千メートル級の山々が連なる立山連峰と深海1千メートルの富山湾、その高低差4千メートルを尺貫法で表しているとの説明に、真剣な表情で聞き入った。 新田知事は、あいの風について「開業9年目で1億3600万人が乗車している。人口100万人の県でですよ!」と力説し、車両の150分の1模型「Nゲージ」を渡した。沿線で収めた風景写真をまとめたカレンダーも贈った。 万葉線「ドラえもんトラム」の説明では橘官房副長官が、ドラえもん作者で高岡市出身の藤本弘(藤子・F・不二雄)氏と、コンビを組んでいた氷見市出身の安孫子素雄(藤子不二雄Ⓐ)氏(元富山新聞記者)について紹介した。 石破首相は「乗れるんですか。本当に」とうれしそうに記念きっぷを受け取り、新田知事が「これから地方にも回られると聞いているので、持ってきてください」と呼び掛けた。