「住宅ローン」の返済に困難になったら…〈最悪の事態〉を防ぐために「必ずやっておきたいこと」【専門家が解説】
念願のマイホームを購入したものの、返済期間が長い「住宅ローン」を組む場合、やむを得ない事情でローンの支払いが困難になる可能性は十分にあり得ます。返済の滞納がある程度続くと、ローン残高の一括返済を請求されてしまう事態になるため、「その前にやっておくべきことがある」と、住宅ローンに詳しい公認会計士の千日太郎氏は言います。千日氏の著書『住宅破産』(エムディエヌコーポレーション)より、詳しく見ていきましょう。 【早見表】3,000万円30年返済の住宅ローン…金利差による利息分
「連帯保証」「連帯債務」を外すには“借り換え”が有効
共働き夫婦が協力して住宅ローンを組む際に、ほぼ必須となる「連帯保証」。アンフェアな連帯保証は、外せるものなら外したいですね。しかし普通に金融機関に『連帯保証を外してくれ』と言ってもまず無理でしょう、これは既得権だからです。最も有効な方法は借り換えです。借り換え先の新たな金融機関では一から契約をしなおすことになるからです。 新規の借入よりも、ある程度の返済実績を積んだ上での借り換えの方が遥かに審査は通り易くなります。1年以上延滞なく返済を継続しているならトライする価値があります。ある程度の期間返済を継続していて、その間の収入に大きな変動が無いのなら審査に通る可能性は高くなります。 住宅ローンを初めて借りる時よりも、現に借りていて借り換える時の方が住宅の担保評価額もかなりのゲタを履かせて貰えるのです。貸付限度額の基準については各行の機密ですが、「フラット35」を取り扱う住宅金融支援機構では公表されており、次のようになっています。 ・新規借入時は住宅の担保評価額の90%が限度 ・借り換え時は直前の借入額と住宅の担保評価額の200%の少ない方が限度 もちろんこれだけで決まる訳ではありませんが、それでもずいぶんと緩和されているのが分かります。また最低12回の返済実績がある事も条件となっています。ですから、当初は連帯保証でなければ借りられなかったとしても過去1年以上返済を継続していて、収入が安定していることを示せるなら、再度チャンスがあるのです。
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