波打った県道、平坦取り戻す 内灘―かほく間6キロ 応急復旧工事が完了
●除雪車の通行可能に 能登半島地震の液状化で波が打ったような状態となった内灘町宮坂―かほく市大崎間の石川県道松任宇ノ気線で26日までに、県の応急復旧工事が完了し、道路がおおむね平坦になった。昨冬は道路の隆起や陥没で除雪車の通行が阻まれ、住民からは「本格的に雪が降る前に応急復旧が終わって良かった」と安堵(あんど)の声が聞かれた。 【写真】応急復旧工事が完了し、平坦になった県道松任宇ノ気線=26日、内灘町西荒屋 松任宇ノ気線は白山市木津町とかほく市七窪を結ぶ総延長33・6キロの県道。このうち液状化の被害は内灘町北部の宮坂、西荒屋、室、かほく市大崎の6キロに及んだ。今年1月の降雪時には融雪装置が損傷で使えず、除雪車は波打つ道路に行く手を阻まれて雪をどかしきれなかった。 県は11月、被害の大きかった内灘町西荒屋(0・6キロ)とかほく市大崎(0・2キロ)で応急復旧工事に着手。液状化で土が盛り上がった箇所を掘削して道路を水平にし、一般車両や除雪車の通行に支障がないようにした。内灘町大根布(0・1キロ)でも道路の補修工事を行った。 大崎区長の山名田勇一さん(72)は「これから雪が降るので、除雪車がしっかり通れるようになって良かった」と喜んだ。 松任宇ノ気線では、傾いた電柱の建て替え工事も行われ、復旧への取り組みが年末も続けられている。 ただ、本格的な復旧の時期は見通せない。液状化被害を受けた内灘町北部とかほく市大崎では、5~10年程度かけて地下水位低下や地盤改良の対策工事を行う必要があり、松任宇ノ気線はその後になるためだ。宮坂区長の坪内健一さん(76)は「融雪装置は壊れたまま。一日も早く本格復旧してほしい」と訴えた。