『ザ・トラベルナース』が新たな名シリーズとなったワケ。岡田将生の希望で登場したサプライズゲストとは? 最終話考察レビュー
ドラマ『ザ・トラベルナース』(テレビ朝日系)が完結を迎えた。手術場で医師を補助し、一定の医療行為ができる看護資格「NP」を持つ那須田歩(岡田将生)と、スーパーナースの九鬼静(中井貴一)の曲者コンビが命の現場で戦う。今回は、最終話のレビューをお届け。(文・浜瀬将樹)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】 【写真】岡田将生&中井貴一のラストシーンが胸を打つ貴重な未公開写真はこちら。ドラマ『ザ・トラベルナース』劇中カット一覧
ゲスト俳優との共演シーンが胸熱
西東京総合病院がランサムウェア攻撃を受け、医療システムがダウン。電子カルテも閲覧できず、大混乱に陥ったところから始まった最終話。そこで登場したのが、事前にゲスト出演が発表されていた志尊淳扮する阿部湊だ。 彼は元ナース。静のフローレンス財団から援助をもらってナースになったが、現在は厚労省に務めている。今回、初動対応支援チームの一人として厚労省から派遣され、静にランサムウェア攻撃を受けている、と報告をした人物でもある。 後半には、静、歩、湊のシーンもあった。「人を治し、病気も治せる那須田さん。今度、ゆっくりお話をしてみたいです」と述べてその場を去った湊に「湊くんは病院も治せるナースになりましたね」と静。歩が「“元”ナースですよね」と口をとがらせると、彼の胸中を察したのか、「言うことが小さいですね。あ、悔しいんですか?」と問いかけて...という非常に良いシーンだった。 今回、岡田のたっての希望で出演したそうだが、ラストに志尊がインパクトを残してくれた。
卓(山崎育三郎)の心を救った静と歩
最終話では、院長・薬師丸卓(山崎育三郎)の心も救う展開となった。1年半前まで西東京総合病院で働いていた元看護師・八木めぐみ(若村麻由美)から手術をしてほしい、と頼まれていたが、拒否し続けていた卓。 歩から「あの人は今でも外科医としての院長を信じています」、「治してほしいって患者が待っているんだよ! あんた医師だろ!」、「このオペをしないと一生後悔しますよ」と言われたが、メスを握る決意は持てなかった。 その後、クビになった看護部長の愛川塔子(寺島しのぶ)らが戻ってきて、パニックになった病院を立て直す姿を目撃。静に「『ナースは人を見て人を治す』。あなたが言っていた意味が少し分かったような気がします」とこぼした。すると、静は広島弁を交えてこう返答した。 「そのために私たちはカルテ以上に患者さん本人を見ています。そして患者さんだけではなく、院長。あなたを治すことがこの病院にとって一番の改革だと私は考えています。いつまで突っ立っとるんじゃい! ......さあ、白衣を着て早く患者さんのところへ」 そうして卓は手術室のめぐみのもとへと向かうのだった。