「語彙力は人間関係の能力」子どもの“語彙力アップ”のために知っておきたい3つのこと
子どもの語彙力のために親ができること
子どもの”語彙力”、意識したことはありますか? 日常の会話はもとより、「国語」「算数」「理科」「社会」……すべての勉強の土台となる“語彙力”。最近は中学入試でも記述式の問題が増える傾向にあり、ますます注目されています。 「ヤバい」ばかりで心配…子どもの語彙力が急上昇する、今すぐできる「簡単会話ゲーム」3選 日本語研究の第一人者、齋藤 孝先生による書籍『親子で楽しく考える力が身につく! 子どもの語彙力の育て方』は、日々の会話の中で簡単にトライできる「語彙力アップゲーム」や「声かけ」を、漫画やイラストを交えながらわかりやすくまとめた一冊。 今回はその中から、人間関係の構築にもつながる、「子どもの語彙力のために親ができること」をご紹介します!
言葉から気持ちを推し量る力を養おう
聞かれたことに的確に答えるには、相手が何を言っているのか、何を知りたいのかを理解する力が必要です。言葉を手掛かりにして、相手の気持ちを推し量る。言葉を手掛かりに、相手の話の文脈を理解する。その点で、語彙力は人間関係の能力とも言えます。 よく「空気が読める」「空気が読めない」と言いますが、これも相手の背景、相手の文脈がわかるかわからないかということ。表情の険しい人がいた時に、「なぜこの人は怒っているのか」を想像できる人は空気が読めるということになります。 子どもが、「放課後、一緒に遊ぼうよ」と友だちを誘ったとします。その友だちが「今日は、ちょっとごめん」と言った時に「そうか、自分とは遊べないんだ」と落ち込んで、それ以降の関係がギクシャクしてしまうとしたら、相手の話の文脈を取り違えている可能性があります。 「今日は」と言っているので、今日たまたま予定が入っていただけで、明日なら大丈夫かもしれません。言葉の意味をきちんととらえて、「じゃあ、明日は?」と聞いたら「うん、明日ならいいよ」と言うかもしれないのです。 これは、大人の世界でも起こりうることです。相手の言葉を手掛かりにして相手の気持ちを推し量ることができれば、傷つく必要のないことで落ち込むこともありません。