明石市の高校生が考案 地元米を使った『塩フィナンシェ』 きっかけは探究活動→明石のお土産に注目
兵庫県明石市の高校生が、地元ブランド米の米粉を使った焼菓子を考案しました。そのきっかけや反響などについて、担当教諭に話を聞きました。 【写真】高校生たちが商品製作の話し合いを行っているようす 考案したのは、兵庫県立明石北高校(明石市大久保町松陰)の生徒たち。地元・明石のブランド米「花美人」を使った焼菓子『塩フィナンシェ』が、同校最寄りの第二神明道路明石サービスエリア上下線ショップで11月23日(土・祝)から販売されています。 明石北高校の2年生は、文系「総合的な探究の時間」、理系「理数探究」で探究活動に取り組んでいます。3~4人のグループに分かれ、普段自分たちが疑問に感じていることをもとにテーマを選定し、理解を深め、3学期に発表するという内容です。 昨年度、文系クラス(3クラス)で30班編成された中で、明石のお土産に注目し、活動していた「お土産班」がありました。「NEXCO 西日本から学校へ『共同で何かを企画・開発することはできないだろうか』という連絡が来た際に、『授業で“お土産”をテーマに考えている生徒がいるんです! 』と返答したことが、塩フィナンシェ誕生のきっかけです」と話すのは、同校の三嶋文子先生です。 販売場所として決定した第二神明・明石SAに出店しているまねき食品株式会社(姫路市)や、近隣で洋菓子店を展開する株式会社コンサクレ(神戸市西区)と、同校とのつながりも生まれ、本格的にプロジェクトが始動しました。 明石だけで生産し環境にも優しい米というJAあかしのブランド米「花美人」を用いて、どのようなお土産を生産することができるのか……生徒たちを中心に意見を交わしていく中で、「焼き菓子が良いのでは」という結論に至りました。 しかし、『塩フィナンシェ』という案にたどり着くことができないまま、3学期末となり、「総合的な探究の時間」の探究活動は終了してしまいました。 ですが、彼女たちはあきらめませんでした。 「『3年生に進級しても、引き続きこのプロジェクトに取り組みたい! 』という生徒たちの熱意を受けて、再スタートすることになりました。その際に、いくつかの候補の中から塩フィナンシェを生産することが決定しました」(三嶋先生) コンサクレ社からマーケティングのレクチャーを受け、客層などを事前にリサーチしたり、文化祭で試作品を配布したりして知名度上昇を目指すなど、販売前から精力的に活動していた生徒たち。「部活の合間を縫ったりして、楽しそうに活動していました」(三嶋先生)。商品開発からパッケージデザインまでを手掛けたなか、その『塩フィナンシェ』が完成。ついに販売されることになりました。 販売開始の翌日、11月24日(日)には、生徒たちによるPR販売も実施。当日の様子について、三嶋先生は「最初はみんな緊張していましたが、途中から積極的に説明をしに行ったり、試食を提供したりと頑張っていました」と話します。お客さんの中には、車まで財布を取りに帰って塩フィナンシェを購入した人もいたそうです。 最後に三嶋先生は「明石市にある学校として、生徒は地域の方からいろいろなことを学び、また、生徒の学びを地域に還元できるような関係でありたいと思います」と締めくくりました。 枡形の箱に女性のシルエットが描かれ、個包装にも俵の絵がプリントされているのが目印。産学連携プロジェクトで生まれた『塩フィナンシェ』。価格は6個入りで1080円(税込)です。 (取材・文=長塚花佳) ※ラジオ関西『Clip』水曜日 「トコトン兵庫」より (2024年12月18日放送回)
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