【セントウルS】スタミナ問われる中京は“距離短縮◎” 条件好転のトウシンマカオが面白い
狙いたいのはトウシンマカオ
となると、ピューロマジック、ママコチャ、モズメイメイは素直に軸馬候補として信頼してよさそうだ。別のデータでこれを確信へと昇華させたい。 データは古馬オープン以上なので、3歳は6~12月の半年間と期間の短さもあるが、それにしても【0-1-0-12】複勝率7.7%は悪すぎる。 2着は21年セントウルSピクシーナイトだけ。同馬は次走スプリンターズS1着だから、ピューロマジックも古馬相手に好走できれば、シリーズ優勝とその先もみえてくる。中京の急坂で古馬相手に好走するのは至難の業。軽さだけでは乗りきれない。 古馬勢は4歳【9-7-5-73】勝率9.6%、複勝率22.3%、5歳【13-10-9-108】勝率9.3%、複勝率22.9%が中心。脂の乗り切ったスプリンターなら、中京の坂も決して苦にしない。 次は、決まり手を比べてみたい。逃げは【2-0-7-21】勝率6.7%、複勝率30.0%と好走はあるものの、逃げ切りは30レースで2勝とそう決まらない。 理想は先行【12-10-8-75】勝率11.4%、複勝率28.6%で、差し【13-18-13-178】勝率5.9%、複勝率19.8%も勝ち切れないものの、悪くない。先日のCBC賞を勝ったドロップオブライトのような好位のインから抜け出す形がベストに近い。 序盤で位置をとり、勝負所の下り坂をリラックスして駆けおり、最後の急坂に備える。競馬の形としてはほかの競馬場とさほど変わらない。 急坂がある分、最後にスタミナも問われるのが中京芝1200m。前走1200mのスプリンターは【18-15-20-260】勝率5.8%、複勝率16.9%、距離短縮組は【12-15-9-139】勝率6.9%、複勝率20.6%で互角。スプリンターがスピードでねじ伏せるか、短縮組が最後の200mで逆転できるか。どちらに転ぶのか、ここが勝負となる。 テンハッピーローズ、トウシンマカオら短縮組にも注目だ。 もとよりトウシンマカオは重賞3勝を含め1200mで4勝のスプリンター。約4カ月ぶりの実戦なので、距離短縮云々はあまり関係ないとしても、有力だ。中京1200m重賞はGⅠもあわせて4、15、6着。GⅠ2戦は不良、重馬場だった。良馬場なら、問題ない。 ライタープロフィール 勝木 淳 競馬を主戦場とする文筆家。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。Yahoo!ニュースエキスパートを務める。『キタサンブラック伝説 王道を駆け抜けたみんなの愛馬』(星海社新書)に寄稿。
勝木 淳