宝島龍太郎さん夫妻が暴行を受けた可能性のある空き家＝東京都品川区（前島沙紀撮影）

栃木県那須町の河川敷で会社役員の宝島龍太郎さん（５５）夫妻の焼損した遺体が見つかった事件で、警視庁・栃木県警合同捜査本部は１１日、殺人容疑で埼玉県越谷市花田の建設業、平山綾拳（りょうけん）容疑者（２５）を再逮捕した。同事件ではこれまで平山容疑者ら６人が死体損壊容疑で逮捕されているが、殺人容疑での立件は初めて。全容解明に向け、一連の捜査は新たな局面を迎えた。 【写真】移送される若山耀人（きらと）容疑者と子役時代のプロフィル写真 再逮捕容疑は、共謀して４月１５日深夜から翌１６日未明、東京都品川区東五反田の空き家１階ガレージで宝島さんと妻の幸子さん（５６）の首を絞めるなどして殺害したとしている。捜査本部は認否を明らかにしていない。 これまでの捜査で、平山容疑者は中間指示役の佐々木光容疑者（２８）から依頼を受け、ガソリンや粘着テープなどを購入。１５日夜には、実行役とみられる姜光紀（２０）と若山耀人（きらと）（２０）の両容疑者に遺体の処理を持ちかけ、車を貸したことが分かっている。 また、平山容疑者は４月上旬、佐々木容疑者から宝島さん夫妻の殺害を指示されていたことが判明。殺害現場とされる空き家ガレージや、遺棄現場への運搬に使われたとみられる平山容疑者の車などから幸子さんの血痕も見つかった。 捜査本部は、平山容疑者らが報酬目的で犯行に及んだとみており、逮捕した６人の供述や現場の状況などから殺人容疑での立件に踏み切った。今後、夫妻の長女と内縁関係にあり、事件を首謀したとみられる関根誠端（せいは）容疑者（３２）ら他の５人も殺人容疑で再逮捕する方針。