【異変】小ぶりなキャベツが1玉300円超 平年の1.8倍に「もつ鍋」専門店は 農家は 原因と今後の見通し 福岡
FBS福岡放送
キャベツの値段が上がっています。11月初めの国の調査では、全国平均で平年のおよそ1.8倍の値段になっています。福岡も例外ではありません。いったい、キャベツに何が起きているのでしょうか。
15日、福岡市中央区の青果店を訪ねました。 ■元木寛人アナウンサー 「店頭に並ぶこちらのキャベツ、 小ぶりですが、価格は300円を超えています。」 小ぶりなキャベツが1玉321円でした。 ■買い物客 「結構高いと思います。料理に使うとき、ちょっと考えます。高いから、安くなるまで待とうかなとか。」
農林水産省が行った調査によりますと、先週のキャベツの全国平均小売価格は1キロあたり311円で、平年のおよそ1.8倍にまで上がっています。この店では仕入れの量が通常の3分の1ほどに減っていて、昼すぎにはキャベツが売り切れることもあるといいます。 ■かいぶつくん薬院店・篠原加代子店長 「このサイズだと、(通常だと税抜き)68 円とか88円くらいだと思います。もう本当に気の毒です。売るにしてもこの大きさですから。」
ぷりっぷりのもつに、たっぷりのキャベツが入った福岡名物のもつ鍋です。徐々に冬めいてきたこともあり、もつ鍋専門店は客が増えつつあるということですが。 ■楽天地・水谷崇社長 「頭、痛いんですよね。」 もつ鍋に欠かせないキャベツの価格高騰に、頭を抱えています。 ■元木アナウンサー 「去年と比べてどれくらい、上がっていますか?」 ■水谷社長 「4割くらいです。」
市内で13店舗をチェーン展開していて、1店舗あたり毎日50キロから100キロのキャベツを使うといいます。仕入れは市場と契約農家からで、現状は値上げをしない方針だといいます。 ■水谷社長 「材料代が上がると、その分、利益が減るのはしょうがないです。やせ我慢で、もりもりに盛ります。」
いま生産現場では何が起きているのでしょうか。訪ねたのは糸島市のキャベツ農家、西原新太郎さんです。11月に入り、収穫が本格的に始まっていますが。 ■キャベツ農家・西原新太郎さん 「これダメですね、確実に。虫が中に入っているから。収穫が終わった後にこのまま残しておいて、トラクターでバラバラに。」 ことしは虫食いや、育ちの遅さが影響し、出荷できないキャベツが多いといいます。
■西原さん 「高温の影響で虫などが多発して、台風や乾燥の影響を受けて(収穫量が)4割から5割程度、減少している感じです。12月に入れば量は安定して、しっかり供給できるようになるのではと思うんですけど、あとは全国的なほかの産地の供給具合かなと。」 福岡大同青果によりますと、「11月いっぱい、入荷量の回復の見通しはない」としていて、異例の暑さの影響はいまなお続いています。