「闘病中」のマック赤坂も“ほぼ裸ポスター”は「論外だよ」と…元泡沫候補が語る「目立ってもいいけど、スベっちゃダメなんです」
「え、マック赤坂は出ないの?」 ついに出揃った都知事選のメンツを見て、こう思った人は案外多いのではないか。「テレビの前のみなさん、スマイル、してますか?」の問いかけから始まる、あの奇妙な政見放送は言うまでもなく都知事選の風物詩だった。 【写真】闘病中…マック赤坂「衝撃のいま」を見る…! しかしあるときを境に、名物候補者は表舞台から忽然と姿を消してしまう。 最近、現代ビジネスの直撃取材に対して、「体調が悪い」「都知事選にはもう出ない」と言葉少なに語ったマック赤坂氏。一体、彼に何があったのか。そもそも彼は何者だったのか。 長い沈黙を破り、本人が独占インタビューに応じた。
泡沫候補は「スベるな」
史上最多の56人が出馬する今回の東京都知事選。無名候補が大半を占めるなか、ある候補者のエキセントリックな戦略が大きな物議を醸した。“ほぼ裸”の女性が映ったポスターを選挙掲示板に張り出したのだ。 この前代未聞の騒動について、マック赤坂氏(75)は「論外だ」と切り捨てる。 「俺も泡沫候補だったから目立ちたい気持ちはよくわかる。でも最低限の節度、それから法律は守らないと。言っても、東京都のトップを決める選挙なんだからさ。 正直、俺も一度だけ、政見放送で下半身を出してやろうかなって思ったことあるよ。でもさすがに踏みとどまった。過激なことをやって、スベる。これがいちばんダメなんだよ」(マック氏、以下同) ただ、候補者の人数が多いことには肯定的だ。
無名候補はハンデを負っている
「一番良くないのは、選挙をしたのに何も変わらないこと。決まった人間がいつまでも同じポジションに居座る。特定の政党が日本を支配する。そんなのロクなことにならない。新たな候補者にはどんどん出てきてもらって、政治をアップデートしていってほしい。 でも一方で、知名度の差で候補者の扱いに格差が生まれるのは、選挙の大きな問題だと思うんだ。メディアは有名候補ばかり取り上げる。公開討論だって無名候補は絶対に呼ばれないじゃない。たとえ有能な候補者でも、無名というだけで大きなハンデを背負う。同じ供託金を払っているはずなのに、これっておかしいでしょう」 マック氏は初めて出馬した2007年の港区議選で、無名候補の限界を思い知った。愚直に、真面目に、自らの政策を有権者に訴えた。けれど結果は最下位だった。 知名度がないと見向きもされない。そう痛感したマック氏は目立つ選挙活動を重視するようになる。代名詞にもなっているのが、奇抜な政見放送だ。 あるときはスーパーマン、またあるときはガンジー、そしてまたあるときは天使に扮して、カメラの前に登場する。その不思議な格好と大真面目な顔のチグハグさは絶妙だった。 そして開口一番、有権者に語りかける。 「テレビの前のみなさん、スマイル、してますか?」 戸惑う暇を与えぬまま、そのままマック氏は公約の中身ではなく、スマイルの話を始める。ここぞというときに飛び出すのが、この合言葉だ。 「10度、20度、30度っ!」 と、口角を釣り上げて、スマイル。 あれは一体、何だったのか。