中村米吉の#カワイイは世界を救う?第17回 ブタさんの可愛さに“ピッグ”リ
初代中村萬壽を襲名した中村時蔵ら、萬屋一門の襲名披露公演となる「六月大歌舞伎」に、親戚である“小川家”の1人として出演中の中村米吉。昼の部「上州土産百両首」では、中村獅童演じる正太郎とラブラブな宇兵衛娘おそで、「『義経千本桜』所作事 時鳥花有里」では麗しい白拍子園原、そして夜の部「『南総里見八犬伝』円塚山の場」では、美女と見紛う美青年・犬塚信乃と、信乃の許嫁で、彼に忠義を尽くす娘浜路の2役を勤める。 【画像】米吉がやってきたのは……。胸元のチンアナゴにも注目。(他32件) このコラムは、どんなに忙しくとも可愛さあふれる米吉に、自分以外の“カワイイ”と2ショット写真を撮ってもらい、カワイイ×カワイイの相乗効果で読者を癒やすことを目的としている。今回はスペシャル回として、「中村米吉の#カワイイは世界を救う?」初のロケを実施した。出演の合間を縫い、米吉がやって来たのは、小さなブタさんがたくさんいる、マイクロブタカフェ・mipig cafe。カワイイブタさんまみれになる、米吉の姿に癒やされよう。 題字:中村米吉 撮影:塚田史香 ■ ご覧ください! この愛らしい、つぶらな瞳! ふと、ここ最近のコラムを読み返してみると、なんだか楽屋発のコラムが続いていました。 やっぱり歌舞伎役者だし、女方だし、拵えをして“カワイイもの”と写真を撮ると皆さんからの反応も良いらしい。 それはそれでとてもありがたいことですが…… そんなんじゃいけない!! これは逃げだ! これではもはや楽屋のオフショットコラムに成り下がっている!! と、勝手に一念発起した私は、ナタリー編集部、さらには信頼を寄せるライターでありフォトグラファー・塚田史香さんを従え、“カワイイロケ”を敢行することにいたしました。 そう! 今回は塚田さん撮り下ろし写真による「カワイイは世界を救う?」初のロケ企画なのです! その“ブタ”いになったのがこちら。 「mipig cafe」目黒店! 日本初のマイクロブタカフェとして2019年にオープンし、インバウンド需要もあって、大人気なお店だそうです。 猫カフェとか、フクロウカフェとか聞いたことはあったけど、ブタさんと触れ合えるカフェがあるとは……。 “ピッグ”リですね! さぁ、ご覧ください! この愛らしい、つぶらな瞳! つい抱きしめてしまいたくなるところですが、抱っこはNG。 じゃあどうやって触れ合うのかって? ブタさんは温かいところが好きで、寄り集まる習性があるので、エサをあげたりしなくとも寄ってきてくれるんだとか。 1人が膝の上に乗ってきたと思うや否や、どんどんと来るわ来るわ!! なんだか知らないけどずーっとクチャクチャしていて、メジャーリーガーなのかと思っていたら、ブタさんには満腹中枢が無いので、ずーっと自分のヨダレを食べてるらしいです。 バカカワイイ(笑)。 狭いところも好きらしく、シートと私の間にも……! ブタさんの居心地は良くても、「前門のブタ 後門もブタ」となった私の居心地はお世辞にも良くはありません(笑)。 気がつくとブタさんに囲まれて身動きも取れず、カフェなのにお茶もゆっくり飲めない状況に。 とはいえ、一気にこんなに集まってきてくれるとなんか悪い気はしませんね。 しばらく見ていると、なんとなく性格や好みがわかってくるところも面白さの1つ。 お、この子は藁で家作っちゃいそうだなぁ……。 あ、木で行くでしょ! 君は! はいはい。あなたはレンガですよね。わかります。 と、マイホームの建築方法の違いをそれぞれから想像してみても楽しいかも?(笑) そんな中には、ひたすらに我が道を行く子も。 イノシシとしてのルーツがあるので、何かを掘ろうとするらしく、ずーっとクッションに突進してました(笑)。 トンでもないやつだ。 そんな子がスッと寄ってきてくれると、片想いが叶ったようななんとも言えぬ幸せを感じるものです。 この膝の上に乗ってる子たちは、生後1・2カ月ほどで、1歳くらいになるとそこそこの大きさになり、お店の人も抱えるのが大変そう。 ベイブみたいなこの子は“オオバ”君。 “シチミ”ちゃんというお姉さんがいます。 なぜ薬味なのか……(笑)。 愛らしいのはブタさんだけでなく、ブタさんモチーフのドーナツなど、カフェらしい愛らしい甘いものも! ブタさんを愛でながらブタさんの形のドーナツを食べる。 なんとも言えない背徳感のあるひと時ですね。 ブタ鼻にもなるというものです(笑)。 しかし! こちらのカフェは、ただブタさんを愛でるためにあらず! ここにいるみんなはここで人間に慣れたら、新たな家族のところに迎えられるそうです。 そうやって、ブタさんたちの良さを世間に伝えていきたい、安全安心にブタさんと家族になってほしい、という思いの中運営されている“ブタさん至上主義”のカフェだったのです! (今日はなんかハムとかベーコンとか食べられないなぁ……) とか思っていた米吉は、誰かに“ブタ”れてしまえばいいのに!! そんなブタさんたちに癒された私は、名残を惜しみながら、東銀座で待っている“ブタ”……ではなく、“舞台”に“トン”で行くのでした。 □ プロフィール 中村米吉(ナカムラヨネキチ) 1993年、東京都生まれ。播磨屋。中村歌六の長男。2000年に中村米吉の名を襲名して初舞台。2011年から女方を志し、「鬼一法眼三略巻 菊畑」で皆鶴姫、「与話情浮名横櫛」でお富、「松浦の太鼓」でお縫、「仮名手本忠臣蔵 七段目」で遊女お軽、「絵本太功記」で初菊などを勤める。またアメリカ・ラスベガスで行われた歌舞伎興行では、2015年に「鯉つかみ」小桜姫役、2016年に新作歌舞伎「獅子王」白縫姫役で出演。2015年には「鳴神」の雲の絶間姫役の演技で十三夜会奨励賞、2021年には第42回松尾芸能賞で新人賞を受賞した。2022年7月に上演された「風の谷のナウシカ 上の巻 ―白き魔女の戦記―」、2022年12月から昨年1月にかけて上演された「オンディーヌ」では、それぞれタイトルロールを務め、昨年3・4月に上演された「新作歌舞伎 ファイナルファンタジーX」、今年2・3月に行われたスーパー歌舞伎「三代猿之助四十八撰の内『ヤマトタケル』」東京公演では、それぞれヒロイン役を勤めた。5月には歌舞伎座「團菊祭五月大歌舞伎」夜の部「『伽羅先代萩』御殿」で沖の井、6月には歌舞伎座「六月大歌舞伎」昼の部「上州土産百両首」で宇兵衛娘おそで、「『義経千本桜』所作事 時鳥花有里」で白拍子園原、夜の部「『南総里見八犬伝』円塚山の場」で犬塚信乃と娘浜路を勤める。また10月には「ヤマトタケル」福岡公演に出演し、兄橘姫 / 弟橘姫、みやず姫を中村壱太郎と回替りで演じる。