天界と地上が交わるガンジス川 罪はその水に清められ、死者は天に昇る
天と地の交わる場所
ガンジス川にまつわるこんなヒンドゥー神話がある。 ビシュヌ神が天界を歩いていると、誤って足先を壁に当て穴をあけてしまった。その穴から流れ出した水が川となり、天界を流れるガンジスが誕生した。 地上では、バーギラタ王が、カピラ仙人の怒りに触れて焼き殺された6万人の先祖たちの霊を天に導こうと、千年もの間、苦行し祈り続けていた。王の願いを聞き入れたビシュヌ神は、ガンジス川を地上に降ろし、6万の死者をその水で清め、昇天させることにした。 しかし、天界に流れるガンジスの水がいっぺんに地上に流れ落ちると、その勢いで地界が破壊されてしまう。そこでシバ神がその髪を使って、千年の歳月をかけながらゆっくりとガンジスの水を地上へと導いたという。 こんな話から、ガンジス川は、天界と地上の交わる場所と信じられている。死者はガンジスによって地上で犯した罪を清められ、天へと昇っていくのだ。 (2013年2月撮影)