ユン大統領の拘束めぐる激しい攻防...市民が民主主義を体現している?日本は韓国を見習うべきなのか
■茂木健一郎氏「SEALDsのデモに行ったが、意味なかった」
脳科学者の茂木健一郎氏は、「日本と韓国は近いが、文化に違いがある。どっちがいい悪いとは思わない」と語る。「韓国の行動力は素晴らしいが、日本の民主主義が劣ってるとも思わない。歌も踊りも完成されているK-POPのスターと、頑張ってるところを応援したくなる日本のアイドルと似ている」。 その上で「『デモは政府に主張する唯一の方法』だとする文化も、一種のイデオロギーなのではないかと思ったりもする。(安倍政権による安保法制に反対した2015年の)SEALDsの国会前デモに行って、忌野清志郎を歌ってきたが、意味なかった。あれはなんだったんだろう」と述べた。
■そもそも民主主義って何?
識者は「民主主義」とは、どういうものと捉えているか。猿田氏は「民主主義は選挙だけではない」として、十分な情報を学んで政治参画し、何かを変えようと動かない国に進歩はないと考える。そして韓氏は、議員に一票を投じる代議制民主主義を前提に、「デモでワンチャン変わるという思考は国会をすっ飛ばすことになる」とする。 猿田氏は「韓国はデモ以外の動きもあり、SNSやK-POPアイドルからの発信もある。デモはいいが、ボランティアも素晴らしい」としつつ、「日本では政治、とくに政策になると、引いてしまう人が多い。『そこも大切な生活の一部だ』と学べるようになればいい」と提言した。 韓氏は、日本における民主主義について、「茂木氏が言った『SEALDsで何も変わらなかった』が、ここ10年ぐらいの感想だ。当時はどんちゃん騒ぎしたが、結局は安倍元総理が言っていた『韓国の軍事的肥大化』など、ある程度、自民党の主張は理にかなってたのではないか」と振り返る。「デモは物事を単純化して、議論をしない側面がある。日本の民主主義を卑下する必要はなく、過小評価もすべきでない」。 コラムニストの小原ブラス氏は、情報へのアクセスが多様化していることから、「民主主義が分岐点に来ている」と考察する。「民主主義は、果たして人類に合った政治思想なのか。欧米が分断するなか、国民が声をあまり上げない日本は、この過渡期でうまく行く可能性もある。他国の“民主主義”が正しいかは、歴史が証明するしかない」との見方を示した。 (『ABEMA Prime』より)
ABEMA TIMES編集部