<チェジュ航空旅客機事故>「コンクリート丘だとは知らなかった、てっきり土盛かと…」 務安空港利用7年のパイロット証言
韓国全羅南道(チョルラナムド)務安(ムアン)国際空港でたびたび飛行する飛行教官・パイロットは滑走路の計器着陸装置(ローカライザー)のコンクリートの丘の存在を事前に認知できなかったと証言した。 【写真】旅客機との衝突で破損したローカライザー 韓国メディア「聯合ニュース」によると、7年間務安空港を利用したという飛行教官でありパイロットのAさんは2日「数年間離着陸をしながら上空から目だけで丘を確認したが、てっきり土盛だと思っていた。まさかコンクリート材質だったとは想像だにしていなかった」と話した。 Aさんは「高さ2メートル・厚さ4メートルのコンクリートの塊ということが空港チャートなどにも書かれておらず、案内を特に受けたこともないので他のパイロットも知らずにいた」と話した。 鳥類衝突(バードストライク)に関しても操縦士はATIS(航空技術情報システム)の気象情報システムなどを通して鳥の群れにいつも気を遣っていたと伝えた。 Aさんは「体感上、年に一回程度は翼部位などにバードストライク被害が発生した」とし「いつも周波数を通じて気象状況を確認しているが、務安空港は最近では毎日鳥類の活動案内が出ていたし、管制官も滑走路に鳥がいれば連絡をくれた」と説明した。 続いて「小鳥は小型飛行機を見ると自分から避けるが、ワシやタカなど大型鳥類は怖がらないのでパイロットのほうが避ける」とし「事故飛行機の場合、機体が大きいのでバードストライクへの対処ははるかに大変だったはず」と推定した。 普段、務安空港には国内飛行訓練・教育生たちが集まり、管制官も予想以上に忙しかったという言葉も出ている。 Aさんは「務安空港は暇だろうと誰もが思っているが、実際は非常に忙しい」とし「国内で訓練が可能な空港がほとんどなく、どの訓練機関もほぼこちらで飛行教育を行う」と明らかにした。 務安空港を利用した民間パイロットは「中源(チュンウォン)大学、交通(キョトン)大学、草堂(チョダン)大学、慶雲(キョンウン)大学、清州(チョンジュ)大学など各大学航空学科などでもほぼすべて務安空港を飛行教育場として使用する」とし「教育生やパイロットはフラッグ・キャリアの機長と比較すると相対的にあまり熟練しておらず疎通が円滑ではない。管制官はさらに忙しかっただろう」と推定した。 先月29日午前8時57分ごろ、務安空港ではチェジュ航空旅客機が胴体着陸を行ったが、ローカライザーが設置されたコンクリートの丘に衝突して爆発・大破した。この事故で乗員乗客179人が亡くなり、乗務員2人が負傷した。