コメ農家存続の危機 半数の水田が作付けできず…「地域のコミュニティがないと成り立たない」世界農業遺産として評価された奥能登のいま
北陸放送
能登半島地震では地割れや液状化などによって広い範囲で農地に被害が出ています。このうち特に大きな被害を受けた奥能登地域では今、コメ農家が存続の危機に立たされています。 【写真を見る】コメ農家存続の危機 半数の水田が作付けできず…「地域のコミュニティがないと成り立たない」世界農業遺産として評価された奥能登のいま 訪ねたのは石川県輪島市の門前地区です。農事組合法人モロオカエーシーの竹内毅さんは厳しい表情で「これでまともな農業経営できるかなって」と語ります。 コメ農家の竹内毅さんの田んぼは、液状化で地面の勾配が変わってしまい、排水がうまくできない状態になっていました。 農事組合法人モロオカエーシー・竹内毅さん「機械がはまってしまって水捌け悪いと、稲が根腐れしてしまう…」 その機械も、大きな被害を受けています。 農事組合法人モロオカエーシー・竹内毅さん「正直泣きましたね、震災から10日くらいは」 地震で農機具倉庫が大きく倒壊し、コンバインや田植え機などが押し潰されました。竹内毅さんは「廃業せんとダメかなって。続けたいけどまたこれ揃えるんかなって」と語り、今年の春の作業には間に合わず、事業を存続するかも決めかねています。 奥能登の4つの市と町を管轄するJAのとによりますと、田んぼの亀裂や陥没、水を引くための用水の損壊などでおよそ2600ヘクタールの水田のうち、ことしは半分程度で作付けができない見通しだということです。 農事組合法人モロオカエーシー・竹内毅さん「水稲って地域のコミュニティがないと成り立たない。その人たちが抜けてくと成り立たないので、そういう人たちはいつかやめるなもしれないが、緩やかにちょっとでもみんなでやれるように」 世界農業遺産にも認定されている奥能登では、一次産業をなりわいとする住民は多く、他の農作物への影響も懸念されています。
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